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抗がん剤治療体験記Stage3「乳がん 全摘手術」

乳房温存療法を選択した緒川さん、抗がん剤治療の2クール目に突入したところで、面談で担当医から治療方法の変更に関する説明がありました。その結果、右乳房の全摘手術を受けることになった顛末について書いています。

◆抗がん剤治療2クール目がスタート。治療の効果は…

副作用に備え、腰まであった髪をバッサリ

最初の投与からそろそろ3週間になるというのに、髪の毛はまったく抜ける気配を見せません。これには担当の先生も「珍しいね」と不思議がっていました。しかし、さすがに次は抜けるだろうなあと思い、2クール目の抗がん剤投与が始まる前に、腰まであった髪をバッサリ切りました。

病院の美容師さんは、抗がん剤治療を前に髪を切る患者さんを何人も扱ってきただけあって、脱毛の副作用にはとても詳しい。抜け始めるとゴソッと抜けること。長いままだと見た目だけでもショックなので、早めに短めにしたほうがいいこと。頭を冷やすと脱毛が少しおさまること。坊主よりベリーショートくらいのほうが、抜けた毛をお掃除しやすいこと。

坊主がいいなら、細かい抜け毛はカーペットクリーナーで掃除するとラクなこと、などなど、いろいろ教えてもらいました。最初は丸刈りにする予定だったのですが、話を聞いてベリーショートに変更です。

腰まで伸びた髪を見て「もったいないわね」と残念そうに言ってくれた美容師さん。「抜けても必ず元に戻るから、がんばってまた伸ばしてね」と笑顔で見送ってもらったおかげで、脱毛に対する不安はまったくありませんでした。

入院費より高い医療用ウィッグは貧乏人にはちと厳しい

2クール目も初回同様、投与当日の副作用がひどかった。今回は、アレルギー反応を抑えるステロイド剤を変えたのですが、吐き気とフラフラは相変わらず。吐き気止めの副作用も変わらずありました。

1クール目よりも、副作用が長引いて、翌日の夕方までまともに食事を取れませんでした。1クール目に受けた体のダメージが、完全には回復していなかったのかもしれません。

そして投与から2週間後、とうとう、脱毛が始まりました!美容師さんから聞いていたとおり、気持ちいい(悪い?)くらいゴソッと抜けます。朝起きて、いつものように髪をとかしたら、突然、ホラー映画なみに大量の髪の毛が抜けたので驚きました。心の準備ができていないとかなり動揺すると思います。

歩くときに抜け落ちるのがイヤで、ヒマさえあれば何回も髪をとかしていた記憶があります。大量に抜けるのは最初のうちだけです。1週間もすればかなり薄くなりますから、抜け毛も少なくなります。

各社から医療用ウィッグが発売されていますが、どれもけっこう高いです。有名メーカーのものだと、フルオーダーで60万円もするんですよ。入院費より高くてびっくりです。医療費控除の対象になればいいのですが、残念ながら適用外。既製品なら1~10万円、セミオーダーなら10~30万円くらいなので、通院で抗がん剤治療をする方、仕事をしながら治療を受ける方なら、ウィッグを買ってもいいのかも。

私は入院治療で仕事もないので、バンダナを被ってすごしました。ビーニーなんかで代用するのもアリだと思います。かわいいデザインのものがたくさんありますし、洗濯もしやすいです。髪が元通りになってからも使えますしね!

◆小さくならなかった腫瘍と外科手術

抗がん剤治療2クール目の途中でしたが、検査の結果腫瘍が小さくなっていないことが判明。治療法の変更を余儀なくされます。

2回で術前化学療法を終了。右胸全摘出手術へ

そろそろ3回目の抗がん剤投与だな、というタイミングで、今後の治療について担当医との面談がありました。2回投与したけれども、腫瘍はあまり小さくなっていないこと。今の状態だと、切除すべき部分が乳首にかかるので全摘のほうがよいこと。今後も、あまり効果が上がらない可能性を考えると、いますぐ全摘手術を受けた方がいいこと、などを説明されました。

その結果、術前化学療法は続けず、外科手術で右胸を全摘出することになりました。通常、CEF療法は4回1セットで行われますが、今回は特殊なケースなので2回で終了です。

外科手術後の治療法はがん細胞が決める

抗がん剤治療は、術前・術後、どちらに行っても効果は変わらないことがわかっています。術前に行うのは、私のように乳房の温存を希望する場合がほとんどで、それ以外は術後に化学療法が行なわれることが多いということです。私も手術後、生検の結果を見てから化学療法を続けるかどうか判断する、と説明されました。

抗がん剤からの卒業と長いホルモン療法の始まり

胸筋ギリギリまでの右乳房組織と、腋窩リンパ節(わきのリンパ節)を切除しました。摘出した組織は生検に出されて、今後の治療の指針となる「乳がんのサブタイプ」というものを判定します。

サブタイプは「ホルモン受容体」「HER2(がんの悪性度を高めるタンパク質およびそれを作る遺伝子)」「Ki67値(がん細胞の増殖活性)」という3つの要素によって分類されます。サブタイプの種類によって、どのような療法が有効かわかるのです。

生検の結果、私の場合、腋窩リンパ節への転移はなく、サブタイプはルミナルA型といって、ホルモン療法だけで治療できるタイプのがんであることがわかりました。これで、抗がん剤からは卒業です。代わりにこのあと10年間、ホルモン剤と長いおつきあいを続けることになりました。

◆抗がん剤治療を終えて感じたこと

抗がん剤治療を無事終え、抗がん剤の副作用も乗り越えた私がリアルに感じたことを最後にまとめておきます。

抗がん剤の進化で生存率は上昇し続けるのだと思う

いま、乳がんは女性がかかるがんのなかでもっとも罹患者数が多く、30~64歳に限定すると死亡原因のトップにもなっています。しかし、5年生存率92.9%、10年生存率82.8%と病気を乗り越えられる割合も非常に高いことがわかっています。

その背景にあるのは、抗がん剤や治療法の進歩です。国立がん研究センターの統計によると、がんによる死亡は1990年代半ばをピークに減少を続け、生存率は多くのがんで上昇していることがわかりました。1993~1996年に53.2%であった生存率は、2006~2008年には62.1%にまで上昇したという統計が出ています。

初期の状態でがんが発見され速やかに治療できれば、完治できるがんが増えています。抗がん剤の研究開発によって、生存率は今後も上昇していくといわれています。そう遠くない未来、がんを恐れなくてすむ時代がやってくるかもしれません。

がんになったらもうおしまい、という時代ではないことだけは確かだと思います。

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