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抗がん剤治療体験記Stage4「がん患者と家族」

新婚ともいえるタイミングでがん告知された緒川みおさん。当時のことを振り返り、がん患者本人と、それを見守りサポートする家族の立場両方の経験を書いています。

がん患者の家族は「第2の患者」といわれる理由

がん患者の家族は、直接病気と戦う患者以上に、心理的な負担が大きいといわれます。がんとわかったときから始まり、治療を見守っているあいだはずっと、心安まることがありません。

自分が病気にかかっているわけではないのに、患者と同じ気持ちで不安や抑うつなどに追い詰められ、精神的・肉体的に疲弊していくことから、がん患者の家族は「第2の患者」であるといわれます。

私の夫も新婚の妻が乳がん、という劇的展開についていけず、私以上につらい想いをしたはずです。

自分ががんに、または家族ががんになってしまった場合、「第2の患者」を増やさないためにはどうしたらよいのでしょうか。

治療の中心にいるのは患者。家族はその手助けをする黒子

家族ががんになったとき心がけたい3つのことがあります。

まずは、「がんや治療について正しく知る」こと。あやふやな情報に惑わされず、正確な知識を得ることで、気持ちを落ち着け治療に正面から向き合えるからです。平静な心で患者を支えることで、患者も安心して治療に専念することができます。

つぎは、「治療の中心にいるのは患者であることを忘れない」こと。家族はがんになった本人と同じ、あるいはそれ以上に、なんとかして病気を治したいと強く願います。知りうる情報を総動員して新しい薬や治療法を探し、どんなことでも手を尽くしたいと思ったりします。症状がなかなか改善しないときや、緩和ケアに重点を置いた終末治療が始まったときは、わらにもすがる気持ちで根拠のない療法に頼ってしまうこともあるでしょう。

膵臓がん末期の父が教えてくれたこと

かくいう私も父が膵臓がんの末期を迎えたとき、あらゆることを試してもらおうと、インターネットや書籍で薬や治療法について調べまくりました。がんに効くといわれるサプリを海外から個人輸入したり、お茶やジュースだけを飲む療法をプリントして渡したり、当時話題だった丸山ワクチンを手配しようと伝手を探したり(当時は誰でも打てるわけではありませんでした)。そして、自分が仕入れてきた情報はすべて父に伝えました。

最初のうちは、「そんなの薬もあるんだな。今度試してみるよ」と笑顔で受け入れて(正確には受け流して)くれた父ですが、最終的には「もういいよ」とやんわり断られました。「大丈夫、いまやっている治療に専念するから」と。

父はそれまで、手を尽くそうと必死になっているわたしを気遣って「今度試してみる」と口にしていたのです。がんと戦っている主人公はあくまでも父本人。自分のやってきたことはただの自己満足に過ぎなかったのではないかと深く反省しました。

どういう治療を受けたいのか、どのような生活を望んでいるのかについて決めるのは患者本人です。家族の役割はその手助けをする黒子。患者自身が病気と向き合い、自分の意思をしっかりと決められるように支えてあげる立場です。本人の気持ちをくみとり、希望をかなえることが何よりも大切なのです。

家族同士が支え合うことで患者は安心して治療を受けられる

最後は、「患者を支える家族同士で助け合う」ことです。家族はみなそれぞれ、「自分がしっかり患者を支えなければ」という気持ちで治療を見守ります。しかし、誰もがうまく患者のケアやサポートをできるわけではありません。一人でがんばるあまり、体調を崩したり、不安で気持ちが落ち込み、どうしたらいいかわからなくなったりすることもあるでしょう。

そういった場合、患者を支えるのと同じように、家族同士が支え合い一丸となって治療をサポートしていくことが肝心です。「がん患者のケアをしている人をケアする」ことで、間接的に患者を助けることにつながるのです。

「お義母さんがいなかったら耐えられなかった」という夫のひと言

私自身が入院中、夫がいる時間帯に母が面会に訪れたことがありました。夫は会社帰りに病院を訪れ、その日の治療に関して「報・連・相」を行ったあと、私が食べきれない病院食をつまんで帰宅する毎日を送っていました。それを見た母が「ちゃんと食べなきゃだめよ」と夫にお弁当を作ってきてくれることになったのです。

普段はお弁当を置いてすぐ帰ってしまいましたが、たまに、夫がくるまで待っていてくれることもありました。3人で治療についての話をしたりするわけではなく、ゆる~い雑談で盛り上がるだけでしたが、日中一人でいるわたしにとっても、わたしを支える立場の夫にとっても、それがなによりもリラックスできる時間だったように思います。

治療が終わって何年か経ったとき、ふと「あのときお義母さんがいなかったら、たぶん耐えられなかった」と夫が言ったこと、今でも忘れられません。

家族に何かをしてあげたいと思う気持ちは誰でも同じです。それは家族を大切にする心の現れであり、患者もその期待に応えようとがんばるでしょう。そのとき、少しだけ考えてみてください。

大切なのは「自分が何をしてあげたいか」ではなく、「何をしたら患者がラクになるか」なのだと。そして、家族もお互いに支え合っていくことがとても大切。一人の力では支えきれないことがあっても、一丸となればしっかり患者をサポートしていけるようになります。強力なサポートが得られた患者は、安心してがんに立ち向かっていくことができるのです。

家族によるサポートは、抗がん剤治療に勝るとも劣らない強力な助っ人であることを忘れないでいただきたいと思います。

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