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抗がん剤副作用の対処法と有害事象のグレード

抗がん剤の副作用には脱毛や吐き気、倦怠感などさまざまな症状が出ますが、抗がん剤の種類や有害事象のグレードによってもレベルが異なります。ここでは副作用の症状が出やすい抗がん剤の種類や、有害事象のグレード、薬物有害反応(薬害)についても解説しています。

抗がん剤の副作用と薬物有害反応、有害事象の関係とは

抗がん剤による化学療法は人体にさまざまな影響を与えます。わたしたちが通常副作用といっているものの定義は本来、「薬剤の作用のうち、主要な作用(主作用)以外の作用。有益な作用も有害な作用も含む」とされています。副作用と聞くと有害な反応しかないと思いがちですが、がん細胞によって体内の免疫系システムが破綻している状態を改善するための反応も副作用には含まれているのです。

薬剤の影響下で出る副作用のうち「薬剤が原因で生じたあらゆる好ましくない症状、徴候」のことを薬物有害反応、と呼ぶのですが、実際にはこの薬物有害反応のことを指して副作用と称していることがほとんど。薬剤による有益な作用に関して問題視することや対策を講じる必要はありませんので、「抗がん剤の副作用」はすなわち、この薬物有害反応(薬害)と考えてよいと思います。

薬害は副作用と有害事象の交わりである共通項目であり、この薬害を予防して副作用の症状を軽減する治療法のことを「支持療法」といいます。吐き気を抑える制吐剤や感染症防止の抗生剤などがそれにあたります。ただこの吐き気止めにも副作用が報告されていますので、体との相性を見ながら処方することになります。

ところで、先ほどの説明に出てきた「有害事象」についてjあなたはご存知でしょうか。次にこの有害事象について説明していきます。

米国立がん研究所が策定した「有害事象のグレード」とは

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、投薬などの治療で生じたあらゆる好ましくない症状や徴候のことを「有害事象」といいます。この有害事象は必ずしも治療が原因と特定できるものだけを指すのではないというのが薬害とは異なる部分。有害事象と副作用の交わったところが薬物有害反応、というのが定義なのだそうです。

有害事象は1から5までの5段階で評価されていて、この評価を「Grade(グレード)」といいます。グレード1は非常に軽症、グレード2は中等症で症状は最小限かつ局所的、グレード3は重症で医学的に重大、でも命を脅かすものではない、というように定義されています。このグレードは白血球減少や血小板減少、しびれ、嘔吐、口内炎、下痢などあらゆる症状ごとに定められています。グレード5は、有害事象による死亡を意味します。

有害事象を評価して基準を決めているのは、米国立がん研究所。現在は2010年改定の『CTCAE v4.0』というバージョンが適用されていますが、日本臨床腫瘍研究グループが日本語訳を行なっているので、下記サイトよりダウンロードすることも可能です。

「有害事象共通用語規準 v4.0日本語訳JCOG版」http://www.jcog.jp/doctor/tool/ctcaev4.html

出典:メディカルトリビューン社「ファーマトリビューン」https://ptweb.jp/article/2016/160113000725/

抗がん剤治療の副作用と有害事象の違い
有害事象のグレードについてについて詳しく見る>>

副作用の現れ方には個人差がある

抗がん剤投与によって現れる副作用は、人それぞれです。使う抗がん剤の種類によっても副作用の症状は変わりますし、症状の現れ方も個人差があります。

副作用が現れたときに「薬剤が効いている証拠だ」と考えて症状を我慢してしまう人も多いようですが、副作用が強いからといって治療効果が高いということではありません。むしろ副作用があるのにがまんしすぎて体力を奪われ、想定していたような治療効果が得られないケースも。

現在は副作用における症状や苦痛を軽減する療法、対策が以前よりも進んでいるため、医師に相談をすれば副作用が軽減されることもあります。あまりにひどい場合は薬の種類を変更したり投与量を減らしたりして、まずは体力の回復を待つこともあります。

抗がん剤の副作用は患者や家族の意識で改善できる

抗がん剤というワードを聞くと、絶対に副作用からは逃れられない、というイメージが強いと思います。実際に抗がん剤による治療で副作用が出ない患者はほとんどいません。治療そのものへの不安はもちろんのこと、副作用が心配でしかたがないという人も少なくないと思います。ですが、抗がん剤の副作用に関する正しい知識を身に着けることで、その不安を和らげることができます。

担当医や看護師とのコミュニケーションがカギを握る

外来通院による抗がん剤治療は、自宅へ帰宅できるため通常通りの生活を送りたいという人には良いでしょう。しかし、抗がん剤治療を受ける時にしか医師や看護師などと接する機会がありません。

医療スタッフ達と接することができる時間は少ないため、十分なコミュニケーションを取ることができないのです。結果、抗がん剤治療やがんに関して一人で悩むことや不安に思うことが増え、精神的にも辛い状態に陥るのです。

常に医師や看護師とコミュニケーションを取ることは、精神を安定させるのに打ってつけなので、入院も視野に入れておきましょう。

もし、外来通院を続けたいという場合は、副作用対策のためにも、医師や看護師と積極的にコミュニケーションを取るようにすると良いです。

抗がん剤の副作用の種類や出現時期などの知識を得る

抗がん剤を使用すると副作用が起るという話は有名です。副作用の種類には、手足のしびれ、耳鳴り、脱毛、口内炎、倦怠感、吐き気、アレルギー反応などがあります。

症状の出現時期は、副作用の種類によって変化しますが、多くは5週間内に出現するでしょう。副作用で辛い時の対処法として、セルフケアの方法を覚えておくと良いです。

副作用は無理して我慢せず、医師に症状を伝えるのが副作用対策になります。場合によっては、副作用を抑える薬が処方してもらえるので、その薬を使いセルフケアができるのです。

治療記録とともに体調の変化も記録する

細かいことでもメモをとる習慣を身につけよう

副作用を使用した時の体調の変化や食事内容などをメモっておくとがん治療の役に立ちます。簡単なメモで良いのですが、メモをとる習慣がない人の場合だと簡単なメモをとるのも難儀に思ってしまい中々できません。

ですから、最初は少しづつでいいので記録を残すようにしましょう。メモの内容は、受けた治療、抗がん剤の種類、治療を受けた時間、食事内容、体調などです。

抗がん剤治療を受けた後の、体調の変化と症状もメモしておくと、医師へ相談する時にしっかりと起きた症状の内容を伝えることができます。必要であれば、精神的状況や思ったことなどもメモにとっておくと良いでしょう。

メモする内容は、細ければ細かい程良いといえます。しかし、それが難しそうであれば、本当に簡単なメモでも良いです。メモをとるという作業がずっと続くように、無理のない範囲で取り掛かりましょう。

抗がん剤の副作用や有害事象として現れやすい症状別/原因と対処法

脱毛

抗がん剤の副作用としてよく見られるのが頭髪や全身の体毛が抜け落ちる脱毛の症状です。細胞分裂の盛んな毛根細胞はダメージを受けやすく、毛の生えるサイクルが乱れてしまうのが原因となります。

抗がん剤の副作用「脱毛」について詳しく見る>>

吐き気・嘔吐

抗がん剤投与後24時間以内に起こる吐き気や嘔吐は「急性」、数日間で起こる吐き気や嘔吐は「遅発性」と呼ばれます。においなどの刺激や精神的な影響が考えられます。

抗がん剤の副作用「吐き気・嘔吐」について詳しく見る>>

貧血

抗がん剤によって赤血球やヘモグロビンの減少が起こると、体中の組織が酸欠となって貧血が起こりやすくなります。

抗がん剤の副作用「貧血」について詳しく見る>>

むくみ

抗がん剤の治療を開始した7割の方が、抗がん剤の投与後に体のむくみや重さ、だるさを感じるといわれています。体の倦怠感は長く続くのが特徴です。

抗がん剤の副作用「むくみ」について詳しく見る>>

口内炎

口の中の粘膜にできるぷちっとした白っぽい潰瘍が口内炎です。口腔粘膜の細胞分裂に抗がん剤がダメージを与え、その過程で発生する活性酸素も粘膜を傷つけるのが原因です。

抗がん剤の副作用「口内炎」について詳しく見る>>

しびれ

体の一部がしびれる症状があると、肌への刺激を的確に感じることができなくなります。手足の指先から始まることが多く、投与中止後も症状が継続することが多いです。

抗がん剤の副作用「しびれ」について詳しく見る>>

下痢・便秘

抗がん剤投与で起こる下痢や便秘は、抗がん剤により腸のぜんどう運動が活発になったり腸管感染により起こったりすると言われています。

抗がん剤の副作用「下痢・便秘」について詳しく見る>>

アレルギー(過敏症)

抗がん剤によるアレルギー症状は点滴直後から始まることがあります。免疫細胞による過剰な免疫反応が原因です。予防するにはアレルギーの有無を医師に伝えておきましょう。

抗がん剤の副作用「アレルギー(過敏症)」について詳しく見る>>

白血球減少

白血球の減少は抗がん剤が増殖活性の高い細胞をターゲットにするため、分裂が盛んな白血球が狙われます。投与開始後2~3日で減少が始まります。感染症にかかると重症化する危険性があります。

抗がん剤の副作用「白血球減少」について詳しく見る>>

血小板減少

抗がん剤の影響で血小板が減少すると、出血した場合血が止まりにくくなります。血が止まらないため慌ててしまいますが、速やかに止血して医師に相談しましょう。

抗がん剤の副作用「血小板減少」について詳しく見る>>

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