メニューボタン

しびれ

抗がん剤の投与後に起きる「しびれ」の副作用。いつ発症するのか、予防法や対策法について解説します。

抗がん剤の副作用でしびれが起こる原因

一般的に言う「しびれ」とは、体の一部が「ジンジンする」「力が入らない」「だるく重い」といった症状を起こすものです。

症状や程度に個人差はあるものの、肌への刺激(触覚や痛覚、温感覚、冷感覚など)を的確に感じることができなくなります。

抗がん剤投与後に現れるしびれには、主に3種類があります。

まず1つ目はがんによって末梢神経が障害されることによるしびれです。感覚を脳に伝える末梢神経が傷つくことで手足にしびれを発症します。

2つ目はがんが血管まで浸潤した場合に感じる痛みやしびれです。血管の収縮と弛緩やリンパ管の炎症により起こります。

3つ目はがんにより脊髄に損傷を受けた場合に、その部分をスムーズに動かせずに発症するしびれです。

がんの種類別に
抗がん剤の副作用を見る

抗がん剤の副作用でしびれが起こる時期

しびれの症状は手足の指先から始まることが多く、薬剤の量や頻度が多くなることで症状が進みます。

抗がん剤の投与を中止しても治るまでには数ヶ月~1年程度、もしくは完治しないことも多いものです。

抗がん剤の副作用が出る
時期・期間を詳しく見る

抗がん剤の副作用でしびれが起こりやすい抗がん剤

代謝拮抗剤
  • シタラビン(キロサイド)
植物アルカロイド
  • パクリタキセル(タキソール)
  • ビンクリスチン(オンコビン)
  • ビンデシン(フィルデシン)
  • ビンブラスチン(エクザール)
プラチナ製剤
  • シスプラチン(ランダ、ブリプラチン)
  • オキサリプラチン(エルプラット)

抗がん剤の種類別に
副作用を詳しく見る

しびれの予防法

しびれを起こさせないためには、末梢神経の圧迫や損傷を防ぐために普段から姿勢を正すのが良いでしょう。

重心を体の中心にして、側面から見たときには耳の穴や肩関節、大腿骨大転子、外くるぶしが真っすぐに並ぶようにします。

また日常生活では肌に刺激を与えないような生地の洋服を着る、ゆったりとしたシルエットの洋服を着る、気になる部位があってもつねったりマッサージなどで過度な刺激を与えないように気を付けましょう。

しびれの対処法

しびれが起きた場合、体を冷やすよりも温めることが有効です。冷えはしびれを増長させるため、お風呂に入ったりカイロを使ったり、洋服を1枚多く着こむなどをして体を温めましょう。

手足がしびれたら軽くマッサージをする、お湯と水に交互に手足を付けて末梢循環を刺激することもおすすめです。

抗がん剤の副作用の
リスクマネジメントを見る

しびれの有害事象のグレード

がん患者の方が、治療中の薬や放射線治療による副作用や、がん症状など体にとって好ましくない症状として訴えることのある「しびれ」は、有害事象のカテゴリーでは「末梢性感覚ニューロパチー」と呼ばれています。

例えば白金系の抗がん剤オキサリプラチンでは痺れが高頻度で有害事象・副作用として出ることで知られています。こうした「しびれ」は症状が悪化すれば日常生活にも支障をきたし、生活の質(=QOL)を大きく低下させます。

近年,がん化学療法の有用性が高まってきたが,タキサン系抗がん剤であるパクリタキセルや白金系抗がん剤であるオキサリプラチンは,末梢神経障害を高頻度で発現し,身体的苦痛から患者の生活の質(Quality of Life: QOL)を著しく低下させるだけでなく,がん治療の変更や中止を余儀なくさせることから,臨床上大きな問題となっている.

出典:「抗がん剤による末梢神経障害の治療薬の現状」日本薬理学雑誌,136(5),2010 [PDF]

しびれのグレードの定義

がん患者の有害事象のグレードは、アメリカの国立がん研究所がまとめたものを元にして、日本語版に翻訳されています。

ここでは日本語版の「有害事象共通用語規準 v4.0 日本語訳 JCOG版(CTCAE v4.0 - JCOG)」を元に「しびれ」の有害事象のグレードを段階ごとに見てみましょう。

まず、グレード1は「症状がない」または「深部腱反射の低下または知覚異常」がある段階です。

さらにしびれがひどくなり、「身の回り以外の日常生活動作が制限」されるようになるとグレードは2に。「身の回りの日常背活動さの制限」が生じた場合にはグレード3と定義されています。

【特集】
抗がん剤の副作用に悩む方・
副作用が気になる方へ

副作用の少ない第4世代のがん治療法として、いま「免疫療法」が注目されています。

がんの三大治療法と言われる切開手術・薬物療法・放射線療法と比較し、どういった特徴を持った治療法であるのか。

がん細胞を集中的に攻撃するメカニズムから、免疫療法を始めるにあたり相談すべきクリニックまでを特集しています。

副作用の少ない「免疫療法」
について詳しく知る

記事制作の参考にしたサイト・文献