血小板減少

抗がん剤によって血小板減少が起こるのはなぜ?その理由と発症時期について解説します。

血小板減少が起こる原因や発症時期

血小板減少のイラスト抗がん剤投与による血小板減少が起こるのは、抗がん剤の影響によって骨髄機能が障害されるからです。

血小板は血液の成分の一つであり、組織の損傷に反応して出血を止める働きがあります。怪我をしても時間がたつと血が止まるのは、血小板が正しく機能しているからです。破れた血管の穴部分に血小板がすぐに集まり、穴をふさいで固めることで出血を止めます。

この血小板が減少すると穴をふさぐことができず、「出血が起きやすい」「出血が止まりにくい」状態となるのです。

人間の血液は骨のなかにある骨髄で作られます。ところが骨髄は抗がん剤の影響を受けると、血液を作る機能が低下します。このことを骨髄抑制と呼びます。

骨髄抑制になると血小板が作られず、一般的には投与開始後7~10日ほどで減少が始まります。減少期間は2週間程度ですが、使用する抗がん剤の種類によっても差があります。

血小板減少が現れやすい抗がん剤

血小板減少は白血球減少と同じような原因によって起こります。そのため現れやすい抗がん剤も同じだと考えられます。

血小板減少の予防法・対処法

予防法

血小板減少を予防するには、自分自身の血小板数を知ることが大切です。血小板数の正常値は12万~38万/mlです。5万/ml以下になると止血に時間がかかるようになり、3万/ml以下になるとちょっとした刺激でも鼻や歯茎、粘膜、皮下から出血をします。1万/ml以下になると臓器出血の可能性が高まります。定期的に検査をして血小板減少が始まったら医師と相談のもとで対策していきましょう。

対処法

血小板減少が起こり出血が止まらないようなら、まずは医師に相談をしましょう。鼻出血や歯肉出血、外傷などは圧迫して止血することもできます。なるべく心身を安静にして過ごすようにしましょう。それでも出血が止まらない場合は医師に必ず連絡をしてください。

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血小板減少の有害事象のグレードは?

がんの有害事象には、リンパ球数の減少や好中球数の減少など血液の成分が減少するという症状が多くあります。血小板減少もその一つ。血管が怪我など何らかの原因で傷ついた場合に、血管を収縮させ、血小板が傷口に集まり、血栓をつくることで血が止まるという一連の流れの中で、血小板はとても欠かせない役割を果たしています。
血小板が減少してしまうと、傷口に血小板が集まり、止血することができなくなってしまいます。

そのため、がん治療において、血小板の減少がないかをチェックすることはとても大切です。抗がん剤などの投与により患者さんの体に引き起こされる影響を判断する上でも、血小板減少という有害事象のグレードをきちんとモニタリングし、その後の治療方針に反映させることはよくあります。

当科にて2010 年 8 月まで にファーストラインとしてスニチニブによる治療を開始した進行性腎細胞癌 7 例を対象とした。治療に伴う腫揚 縮小率、血小板減少率を測定し検討した。血小板減少率は治療前の血小板値2回の平均値と経過中における血小板最低値の比で計算した。腫瘍縮小効果はRECIST基準にて評価し、有害事象はCTCAEを用いた。 【結果】スニチニブ治療 1コース目において血小板減少による有害事象 は grade11 例 、gradc 23 例 、grade 32 例であった。これを治療前の血小板値との比率に換算すると、血小板減少率 70%以上の3例は腫瘍縮小効果を認めた。 その一方で 血小板減少率 60%未満の4 例は腫瘍縮小効果を認めず、その後治療を継続しても十分な効果を認めなかった。

出典: (PDF) 「PP-411 進行性腎癌に対するスニチニブの治療成績と有害事象の検討(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)」日本泌尿器科学会雑誌,102(2),2011 [PDF]

「有害事象共通用語規準v4.0日本語訳JCOG版」によれば、血小板減少のグレードは、数値別に次のように定義されています。

 

  • グレード1:<LLN-75,000 /mm3、または<LLN-75.0×10e9 /L
  • グレード2:<LLN-75,000〜50,000 /mm3、または<LLN-75.0-50.0×10e9 /L未満
  • グレード3:<LLN-50,000〜25,000 /mm3、または<LLN-50.0-25.0×10e9 /L未満
  • グレード4:<LLN-25,000 /mm3、または<LLN-25.0×10e9 /L未満

有害事象のグレードでは、グレード1は、症状がない、または軽度の症状があるものの、治療は必要がない段階。グレード2は最小限/局所的・非侵襲的な治療が必要ではあるものの、身の回りの日常生活動作を制限するまでではない中等症。グレード3は重症または医学的に重大な症状であるものの、生命を脅かすものではない段階とされています。グレード4になると、緊急処置を要する生命を脅かす段階です。

検査時には、血小板の数値についても気をつけて見てみましょう。

出典: 「有害事象共通用語規準 v4.0日本語訳JCOG版 2017年9月12日版(本体及び解説ページの日本語訳と日本語訳に関する注意事項を記載したPDFファイル)」