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イピリムマブ

イピリムマブとは

人の身体の免疫機能を担っているリンパ球の7割を占めているT細胞は、侵入してきたウイルスや異物をとらえて攻撃する働きがあります。しかし、がん細胞は自分の細胞が変異したものなので、自分の細胞らしい特徴を持っていて、T細胞が異物として認識できないことがあります。そこで、T細胞が自分の細胞を判別するときに使っている因子を阻害することで、がん細胞を異物であると認識し、きちんと攻撃するよう作用させる免疫チェックポイント阻害剤が開発されました。

T細胞が持つ免疫チェックポイント因子の中でも、CTLA-4を阻害するのがイピリムマブ。ヤーボイという商品名で販売されている薬です。

ほかの薬との違い

免疫チェックポイント阻害剤は、阻害する因子によっていくつか種類がありますが、イピリムマブは、T細胞の免疫チェックポイント因子であるCTLA-4を阻害し、がん細胞を異物として攻撃するよう促すものです。

また、がん細胞にはT細胞の働きを失わせるTregという細胞も存在していますが、イピリムマブが機能を低下させてくれます。TregのCTLA-4結合することで、免疫細胞の不活化を防いでくれるのです。

イピリムマブが用いられる目的

T細胞の中でも細胞障害性T細胞は、がん細胞を認識して破壊する働きを持っています。イピリムマブを投与することで、細胞障害性T細胞の活動を活性化させ、免疫機能を高めてがん細胞を抑制することを目的としています。

主に皮膚がんの一種である悪性黒色腫に対して使われることが多い薬剤です。腎細胞がんの治療では、ニボルマブと服用されることもあります。

イピリムマブの治療効果

T細胞の働きを抑制する因子を阻害して、がん細胞への攻撃の精度を上げられます。特に皮膚がんの一種である、メラノーマ(悪性黒色腫)の治療に効果があるとして、日本では2015年に承認されました。現在では、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、膀胱がん、前立せんがんなどに効果が得られるかどうかの治験が行われています。

イピリムマブの副作用と対処法

イピリムマブの投与によってT細胞の活性化や増殖が起こり、何らかの副作用が現れることがあります。多くは下痢や腹痛、便秘などの消化器系の症状で、重大な症状としては、大腸炎や消化管穿孔などが報告されています。このほかに、発熱や排尿困難、呼吸困難などが現れることも。

上記のような症状が見られた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。