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テセントリク

テセントリクとは

テセントリクは、いくつかある免疫チェックポイント阻害剤の中でも、がん細胞の表面にあるPD-L1を阻害するタイプの薬剤です。T細胞が自分の体の細胞であることを確認する免疫チェックポイントは、カギと鍵穴のような仕組みになっていて、T細胞側に鍵穴となるPD-1、がん細胞側にカギとなるPD-L1という分子があり、2つが結び付くと自分の細胞だと認識し、攻撃を抑制してしまいます。そこで、カギと鍵穴が結び付かないよう、がん細胞の表面にあるカギをふさいでしまおう、というのがテセントリクの作用です。

ほかの薬との違い

これまで日本で承認されてきたオプジーボやキイトルーダなどの免疫チェックポイント阻害剤は、T細胞側の免疫チェック分子(PD-1)を阻害する薬剤だったのですが、テセントリクはがん細胞側の免疫チェック分子(PD-L1)を阻害する、という違いがあります。

また他阻害剤は、がんの免疫チェック分子の発現率によって、使用の優先度が変わってきます。一方テセントリクは、こうした制限は一切ありません。

ほかの薬剤とは作用の仕方が違いますので、免疫チェックポイント阻害剤や抗がん剤と併用することで、違った治療効果が得られる可能性も考えられます。

テセントリクが用いられる目的

新しいタイプの免疫チェックポイント阻害剤ということで、これまでの薬剤では効果が得られなかった方にも可能性が広がります。また、ほかの抗がん剤などの薬剤と併用して投与する目的でテセントリクが選択されるケースもあります。

ただし妊娠中の投与については安全性がまだわかっていないので原則禁止、65歳以上の高齢者は生理機能が低下しているため慎重な判断が必要とされています。

テセントリクの治療効果

日本におけるテセントリクの承認状況は、2019年現在、既治療の非小細胞肺がんと、未治療の扁平上皮がんをのぞく切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの2種類で承認されています。

また、テセントリクとアバスチンやカルボプラチン、パクリタキセルなど他の薬剤との併用によって、進行肺がんの患者さんの生存期間が延長した、という臨床試験結果も得られています。

テセントリクの副作用と対処法

テセントリクの投与によって多く表れやすい副作用は、下痢などの消化器系の症状、紅斑や炎症などの皮膚障害、神経障害、肝機能障害、甲状腺機能障害などです。

ほかの抗がん剤に比べると、多少副作用は軽いと言われていますが、間質性肺炎や敗血症などの重大な副作用が現れることもありますので、慎重に経過を見守る必要があります。