ボランティアでがん患者・家族・遺族を支援する認定NPO法人キャンサーネットジャパンの「もっと知ってほしい 大切な人ががんになったとき」がん患者の家族が知っておくべき情報を分かりやすくまとめています。
「もっと知ってほしい大切な人ががんになったとき」は、認定NPO法人キャンサーネットジャパンが作成した小冊子です。
キャンサーネットジャパンとは、「患者が本人の意思に基づき、治療に臨むことができるよう、患者擁護の立場から科学的根拠に基づくあらゆる情報発信を行うこと」を使命として活動している団体です。
1991年に南雲吉則氏と吉田和彦氏が、乳がん患者向けのパンフレットを翻訳・自費出版・無料配布をしたのが団体発足の始まり。
その後、パンフレットをまとめた書籍の出版や電話・FAX・メールでのがん医療相談などをスタートさせました。活動が認められ、2016年8月にNPO法人として認定されています。
「がん患者の家族は第2の患者」と言われるほど、家族やパートナーが大きく影響を受ける大切な人のがん闘病。冊子P3からP7は、がん患者をサポートする人々が大切にすべきことについて記載されています。
がん患者のサポートを行うことで、家族やパートナーの生活にも大きな変化が訪れるでしょう。すると、心身共にストレスがかかります。
がんは診断されてから5~10年と経過を要する付き合いの長い病気です。冊子には「闘病生活を支えるためには、サポートするあなた自身の健康を守ることが重要」と述べられています。
がん患者をサポートする人が、ストレスを溜めず健康でいられるためには「リラックスできる時間をつくること」「感情を抑え込まないこと」。
そうすることが、闘病を長く支え続けることに繋がります。[参照:1]
診断・告知・治療・療養に伴ってがん患者の心は大きく揺れ動いています。支える人は患者の心に寄り添うことが重要です。
ここには治療中や療養中によく見られる心の動きに対して、周囲の人が注意するべきことや、サポートの要点について記載されています。
がんを切除して身体の一部を失う「喪失体験」をした患者に対しては、「楽観的な発言を控えて、話をしっかり聞くこと」。
化学療法(抗がん剤)による副作用や倦怠感などの「精神症状」を引き起こした患者には、「治療に支障をきたす場合は専門家の支援を受けること」。
具体的な心への寄り添い方をアドバイスしているページです。
また、がんにおける「痛み」「うつ」、幻覚や暴言などの症状が出る「せん妄(せんもう)」に対するサポートのポイントもまとめられています。[参照:2]
「家族ができる療養生活のサポート」のページでは、家族やパートナーなど、周囲の人ががん患者を支えるための以下3つのポイントが記載されています。
体調がいいときと悪いときの判断基準がわからない、一人でサポートするのは不安、どのような食事がいいのか、などさまざまな疑問や不安が出てくるもの。
それぞれのポイントを参考にすることで、がん患者へのサポートがしやすくなるでしょう。
日常で活用しやすいように、体調管理のチェックリスト・おすすめのリラックス法・症状別の食事対策といった形でわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。[参照:3]
NPO法人キャンサーネットジャパンの「もっと知ってほしい大切な人ががんになったとき」は、がん患者を支える家族やパートナーが健康で安心して過ごすための冊子・PDFです。
がん医療の世界では家族やパートナーは「第二の患者」といわれています。実際のところ、本人以上にサポートをする側のほうが、がんについて勉強する必要があるでしょう。
支える人にはいろんなストレスや不安などがあると思いますが、この冊子・PDFを読んで、今後の闘病サポートの力にしてください。