エトポシド(カプセル)の特徴や副作用、使用上の注意、使用者の体験談などをご紹介します。エトポシド(カプセル)は、肺がんや悪性リンパ腫、子宮頸がんなどの治療に用いられる細胞障害薬系の抗がん剤です。
一般名称 | エトポシド:カプセル |
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形状 | カプセル |
分類 | 細胞障害薬 |
商品名(製造元) | ベプシドカプセル50mg(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)など |
薬価 | 50mg1348.6円/カプセル |
適応する症状 |
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エトポシド(カプセル)は、肺がん(小細胞肺がん)、悪性リンパ腫、子宮頸がん、卵巣がんの治療に用いられている抗がん剤のひとつ。DNAを合成する酵素の働きかけることで、がん細胞の増殖抑制を目指す薬です。
症状に応じ、以下の用法・用量で摂取します。
通常、成人1日175~200mgを5日間連続で経口摂取し、その後、3週間休薬します。これを1クールとし、患者の状態を観察しながら摂取量を適宜増減させつつ、これを繰り返します。
患者の状態に応じ、次のA、Bいずれかの方法で摂取します。A法は、肺がんにおける摂取法と同じです。B法は、成人1日50mgを21日間連続で経口摂取し、その後、1~2週間休薬します。これを1クールとして、患者の状態により薬を増減させつつ、これを繰り返します。
悪性リンパ腫におけるB法と同様の方法で摂取します。
成人1日50mgを21日間連続で経口摂取し、その後、1週間休薬します。これを1クールとして、患者の状態により薬を増減させつつ、これを繰り返します。
アメリカハッカクレンと呼ばれる植物の地下茎が、もともとの原料。地下茎に含まれていた「ポドフィロトキシン」を合成したものが、エトポシドです。
1966年に世界で初めて合成に成功し、その後、欧米各国で臨床試験が行われました。その結果、経口投与でも静脈内投与でも、いずれの方法でも肺小細胞癌と悪性リンパ腫の改善に有効であることを確認。以後、世界で続々と承認されるにいたりました。
日本では1982年に臨床研究がスタート。1987年3月、エトポシドの経口剤と注射剤の輸入が承認されました。
DNAの合成に関与する酵素の働きを阻害することにより、がん細胞の増殖を抑えます。「トポイソメラーゼ阻害薬」というグループに属する細胞障害薬の一種です。
骨髄抑制にともなう白血球減少を始め、さまざまな副作用が報告されています。特に多く報告されている副作用が、悪心や嘔吐、食欲不振、倦怠感、そして脱毛です。脱毛は高い頻度で認められるため、患者の中には、事前にウイッグやバンダナなどの外見をカバーするグッズを用意している人も少なくありません。
5日間連続投与において、総症例1,648例のうち75.9%の患者に何らかの副作用が発現しました。また21日間連続投与においては、総症例181例のうち96.7%に何らかの副作用が生じています。
骨髄抑制 | 汎血球減少が0.1%、白血球減少が48.3%、好中球減少が7.0%、血小板減少が18.0%、出血が0.1%未満、貧血が7.2%の頻度で認められています。血液検査を頻繁に行うとともに、数値に異常が見られた場合には薬剤の減量、休薬、中止等の適切な処置を行ってください。 |
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間質性肺炎 | 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎が0.3%の頻度で認められています。十分に観察を行うとともに、異常が見られた場合には副腎皮質ホルモンを投与する等の適切な処置を行ってください。 |
肝臓 | AST(GOT)上昇/ALT(GPT)上昇/ビリルビン上昇/γ-GTP上昇/Al-P上昇/LDH上昇 |
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腎臓 | BUN上昇/クレアチニン上昇/尿蛋白 |
消化器 | 悪心・嘔吐/食欲不振/口内炎/下痢/腹痛/便秘 |
過敏症 | 発疹 |
皮膚 | 脱毛/紅斑/そう痒/色素沈着 |
精神神経系 | 頭痛/しびれ/一過性皮質盲 |
循環器 | 心電図異常/不整脈/頻脈/血圧低下 |
電解質 | ナトリウム異常/クロール異常/カリウム異常/カルシウム異常 |
その他 | 倦怠感/発熱/血清総蛋白減少/顔面潮紅/浮腫/味覚異常 |
次の患者には投与しないでください。 |
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次の患者には慎重に投与してください。 |
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次の薬・治療法との併用に注意してください。 |
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高齢者に投与する場合には、次の点に注意してください。
一般に高齢者は骨髄機能や肝機能、腎機能などの生理機能が低下している傾向があるため、非高齢者に比べ、本剤の投与による骨髄抑制などの副作用が高頻度で認められます。高齢者に本剤を投与する際には頻繁に臨床検査を行うとともに、患者に応じて用量・投与間隔等に留意してください。
妊婦、産婦、授乳婦等に投与する場合には、次の点に注意してください。
妊娠している女性、または妊娠している可能性がある女性に対しては、本剤を投与しないでください。また妊娠可能な女性や、その女性のパートナーに対しては、妊娠を避けるために適切な避妊措置を行うようにしてください。動物実験によると、本剤の影響と思われる胎児の催奇形性、胎児毒性、精原細胞の染色体異常などが見られています。
授乳中の女性に本剤を投与する場合には、授乳を中止してください。動物実験により、乳汁への本剤の移行が確認されています。
小児に投与する場合には、次の点に注意してください。
小児への投与は禁忌ではありませんが、安全性は確立されていないことから、投与に際しては副作用の発現を注視してください。なお、小児の子宮頸がんに対する本剤の使用経験はありません。
娘がエトポシドのカプセルで治療を受けています。副作用として便秘があるそうなのですが、確かに娘も便秘ぎみになりました。毎日あったお通じが1日おきになった感じです。また、おそらくこれもエトポシドの副作用だと思うのですが、毎日、午前中に嘔吐してしまいます。嘔吐した後は楽になるようで、あとは普通に1日を過ごしています。内服薬は飲めなかったらスキップしていい、と主治医から言われているので、こちらも気持ちは少し楽です。
今日から娘がエトポシドの内服を始めました。医師から積極的に勧められたわけではないのですが、やってみないと分からないのでチャレンジしてみた形です。カプセルの中身がドロッとしているらしく、中身だけをかき出して飲むのはできなかったので、少量のお湯にカプセルごと溶かして飲ませました。思ったよりすんなり飲んでくれたので、良かったです。この薬で、少しでも悪いやつらが消えるように祈っています。