エトポシド(注射)の特徴や副作用、使用上の注意、使用者の体験談などをご紹介します。エトポシド(注射)は、肺がんや悪性リンパ腫、急性白血病、膀胱がんなどの治療に用いられている細胞障害薬系の抗がん剤です。
一般名称 | エトポシド:注射 |
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形状 | 注射剤 |
分類 | 細胞障害薬 |
商品名(製造元) | ベプシド注100mg(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)など |
薬価 | 4,172円/瓶 |
適応する症状 |
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エトポシド(注射)は、肺がん(小細胞肺がん)や悪性リンパ腫、急性白血病、膀胱がんなど、幅広いがんの治療効果を持つ抗がん剤。DNAの合成に関わる酵素を阻害することで、がん細胞の増殖抑制を目指す薬です。
通常、1日量60~100mg/m(体表面積)を52日間にわたり連続で点滴静注。その後3週間休薬し、これを1クールとします。以後は患者の状態を観察して薬剤の量を増減させつつ、クールを繰り返します。
なお、胚細胞腫瘍と小児固形腫瘍については用法・用量が異なります。薬剤の添付文書を確認のうえ適切に投与します。
DNAの合成に関与している酵素を阻害することにより、がん細胞の増殖を抑制します。「トポイソメラーゼ阻害薬」というグループに属する細胞障害薬のひとつです。
エトポシド(注射)による治療を受けた患者の大半が、大なり小なり、何らかの副作用を自覚します。骨髄抑制による白血球減少や貧血を始め、食欲不振や嘔吐、倦怠感、口内炎なども高い頻度で発症します。半数近くの患者に脱毛が生じることも理解しておいてください。
本剤の総症例4,586例のうち、89.2%に副作用の発現が認められています。
骨髄抑制 汎血球減少(0.2%)等の骨髄抑制:汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー ショック(0.2%)、アナフィラキシー(頻度不明)
チアノーゼ、呼吸困難、胸 内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎 間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、
胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
肝臓 | AST(GOT)上昇/ALT(GPT)上昇/ビリルビン上昇/γ-GTP上昇/Al-P上昇/LDH上昇 |
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腎臓 | BUN上昇/クレアチニン上昇/尿蛋白 |
消化器 | 悪心・嘔吐/食欲不振/口内炎/下痢/腹痛/便秘 |
過敏症 | 発疹 |
皮膚 | 脱毛/紅斑/そう痒/色素沈着 |
精神神経系 | 頭痛/しびれ/一過性皮質盲 |
循環器 | 心電図異常/不整脈/頻脈/血圧低下 |
電解質 | ナトリウム異常/クロール異常/カリウム異常/カルシウム異常 |
その他 | 倦怠感/発熱/注射部位反応(発赤/腫脹/疼痛/壊死/硬結等)/顔面潮紅/浮腫/血清総蛋白減少/味覚異常 |
次の患者には投与しないでください。 |
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次の患者には慎重に投与してください。 |
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次の薬・治療法との併用に注意してください。 |
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高齢者に投与する場合には、次の点に注意してください。
一般に高齢者は生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能など)が低下しています。そのため本剤の投与による副作用が、非高齢者に比べて高頻度で見られます。高齢者に対して本剤を投与する場合には、患者の状態を観察しつつ用量や投与間隔に注意するようにしましょう。
妊婦、産婦、授乳婦等に投与する場合には、次の点に注意してください。
妊娠している女性、妊娠している可能性がある女性に対しては、本剤を投与しないでください。妊娠できる女性に本剤を投与する場合には、女性本人と男性パートナーに対し、避妊の指導を行います。動物実験によると、本剤との因果関係で生じたと思われる胎児の催奇形性、胎児毒性、精原細胞の染色体異常が確認されています。
また授乳中の女性に本剤を投与する場合には、授乳を中止するよう指導してください。
小児に投与する場合には、次の点に注意してください。
小児に本剤を投与する場合には、副作用の発現に注意してください。他の治療法と併用する場合には、併用による副作用(消化器障害、骨髄抑制、肺障害など)にも注意します。低出生体重児や新生児に本剤を使用する場合には、本剤にベンジルアルコールが添加されていることに注意してください。
エトポシドを始め、3種類の抗がん剤で治療を受けています(いわゆるBEP療法)。ここ3週間入院して治療を受けたのですが、正直、こんなに副作用がきついとは思っていませんでした。とりわけきつかったのが、吐き気です。治療翌日から自覚して、3日目からは数日間連続で何も食べられないほど。吐き気止めも飲みましたが焼け石に水でした。どのようにして病院を脱走するかを本気で考えたのですが、やがて脱走する気力すら起こらないほどひどい状態に…。がんではなく、抗がん剤の副作用であの世に行くのでは、と思ってしまったほどです。
エトポシドとカルボプラチンで治療を4クール受け、現在は治療を終えてから半年ほどたちます。治療を終えてだいぶたったと思うのですが、倦怠感や息切れなどの副作用はまだ残っています。抗がん剤の副作用って、こんなに長く続くものなのでしょうか?
父親が小細胞肺がんで、放射線治療と抗がん剤点滴(エトポシドとシスプラチン)を受けました。治療から3ヶ月ほどたつのですが、記憶力が急激に悪くなった模様です。意識を5~10分ほど失うこともありました。主治医に尋ねても、副作用ではないとの回答。私はシスプラチンの副作用を疑っています。事実を知りたいです。
2年前にエトポシドなどの3種類の薬で抗がん剤治療を3クール受けました。そのときに点滴を刺していたところが色素沈着を起こし、今もまだ消えません。皮膚科で飲み薬と塗り薬を処方されているのですが、肌全体は白くなったのに、色素沈着のところだけが変化なし。今年結婚式があるので、かなり焦っています…。