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イダルビシン

イダルビシンの特徴や副作用、使用上の注意、使用者の体験談などをご紹介しています。イダルビシンは急性骨髄性白血病の治療に用いられることがある抗がん剤の一種です。

イダルビシンの概要

一般名称 イダルビシン:注射
形状 注射剤
分類 細胞障害薬
商品名(製造元) イダマイシン静注用5mg(ファイザー株式会社)
薬価 12,022円/瓶
適応する症状
  • 急性骨髄性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)

イダルビシンの効果・特徴

イダルビシンは、急性骨髄性白血病にターゲットを絞った抗がん剤のひとつ。がん細胞のDNA・RNAの合成を妨げることで、がん細胞の増殖を抑制する薬です。

投与方法は静脈注射。投与から数日で、患者の大半が様々な副作用を経験します。中には強い副作用を経験する患者もいるため、慎重に状態を確認しつつ投与を進める必要があります。

用法・用量

1バイアル5mg(力価)に5mLの日局注射用水を加え溶解します。通常、成人にはイダルビシン塩酸塩12 mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回、3日間連続で注射にて静脈へ投与。骨髄機能が回復するまで休養し、のち同様の投与を繰り返します。

効果のメカニズム

イダルビシンは、アントラサイクリン系に属する抗生物質のひとつ。がん細胞のDNAやRNAの合成を妨げることで、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。

イダルビシンの副作用

調査症例数1,417例中、副作用の発症例は1,311件(92.5%)。副作用の発現件数は9,557件でした。

イダルビシンを投与された患者の大半において、大なり小なり、何らかの副作用を経験します。中でも特に多く見られる副作用が、骨髄抑制による各種の副作用、口内炎、食欲不振、嘔吐、下痢、発熱など。脱毛も多く見られる症状の一つなので、治療前にウィッグやバンダナ、帽子などを用意しておく患者もいるようです。

なお、当薬剤は赤色をしているため、治療後に尿が赤くなることがあります。そのため、血尿と誤解する患者も多いようです。

重大な副作用

心筋障害 3.88%の頻度で心筋障害が認められています。心不全等が現れることもあります。
骨髄抑制 汎血球減少が52.8%、血小板減少が66.5%、顆粒球減少が66.9%、貧血が63.5%、出血傾向が24.6 %の頻度で認められています。敗血症や肺炎等の重篤な感染症、または脳出血や消化管出血等を併発して死亡した例も報告されています。
口内炎 22.4%の頻度で口内炎が認められています。重篤な口内炎に発展するケースもあります。
ショック 1.41%の頻度でショック症状が認められています。
完全房室ブロック等の不整脈 2.4%の頻度で完全房室ブロック等の不整脈が認められています。

その他の副作用

心臓 頻脈/心電図異常/心膜炎
消化器 食欲不振/悪心・ 嘔吐/下痢/腹部不快感/腹痛/口腔内の疼痛/食道炎/胃炎/腸炎/消化管潰瘍/消化管出血
過敏症 紅斑/発疹/そう痒/蕁麻疹
皮膚 脱毛/色素沈着/放射線照射リコール反応
肝臓 肝障害(AST(GOT)・ALT(GPT)上昇/総ビリルビン上昇、Al-P上昇等)
腎臓 腎障害( BUN上昇/クレアチニン上昇等)
精神神経系 頭痛
注射部位 血管痛/静脈炎/血栓
その他 発熱/疼痛/胸部圧迫感/全身の筋肉痛/脱水/ほてり

イダルビシン使用上の注意

禁忌

次の患者には投与しないでください。
  • 心機能異常又はその既往歴のある患者
  • 本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • 重篤な感染症を合併している患者
  • 他のアントラサイクリン系薬剤等、心毒性を有する薬剤による前治療が限界量に達している患者
  • 重篤な肝障害のある患者
  • 重篤な腎障害のある患者

慎重投与

次の患者には慎重に投与してください。
  • 骨髄抑制のある患者
  • 感染症を合併している患者
  • 肝障害のある患者
  • 腎障害のある患者
  • 高齢者
  • 水痘患者
  • 他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者
  • 小児等

併用注意

次の薬・治療法との併用に注意してください。
  • 潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤
  • 心臓部あるいは縦隔への放射線照射
  • 抗悪性腫瘍剤/放射線照射

高齢者への投与について

高齢者に投与する場合には、次の点に注意してください。 本剤は肝臓で代謝され、かつ一部は腎臓から排泄されていますが、一般に高齢者は肝・腎機能が低下していることが多いため、慎重に観察をしながら投与してください。一部の高齢者においては、心毒性、骨髄抑制が現れやすくなります。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与について

妊婦、産婦、授乳婦等に投与する場合には、次の点に注意してください。 妊娠中の患者や妊娠の可能性がある患者については、本剤を投与しないほうが望ましいとされています。動物実験から、胎児への催奇形性のリスクが指摘されています。
また授乳婦については、授乳を中止したうえで本剤を投与してください。動物実験では、本剤の乳汁への移行が認められています。

小児への投与について

小児に与する場合には、次の点に注意してください。 新生児、乳児、幼児、小児等に対する本剤の安全性は確立されていません。使用成績調査では、15歳未満の小児9例中9例(100%)に副作用が認められています。
また、乳幼児および小児においては、アントラサイクリン系薬剤によって心毒性が誘発されやすいとの報告もあります。

イダルビシンを使用した人からの体験談

治療が進むにつれて副作用が悪化していきました

抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けるのが嫌だったので、治療開始前日に病院内の理髪店でスキンヘッドにしてもらいました。翌日からイダマイシンによる治療をスタート。その2日後から、だるさ、吐き気などを自覚するようになりました。食事をとる気持ちにもなれず、徐々に食欲が低下。家族が持ってきたバナナやチョコ、ゼリー、お菓子などを食べて過ごすことが多くなりました。その5日後、副作用としての下痢が急激に悪化。全身の体調自体が悪くなり、気が付くと下ばかり向いて過ごしていました。

副作用らしき症状で3度も生死をさまよいました

治療1回目で血栓ができて絶対安静に。2回目で便秘から感染症へと進行して血圧40まで低下。ICUで10日ほど生死をさまよいました。4回目で原因不明の42度の高熱を一週間ほど経験。その都度、家族には「覚悟してください」と告げられていたそうです。

治療2日目から様々な副作用を自覚しました

治療開始2日後から副作用を自覚しました。主な症状は、吐き気、めまい、頭痛、下痢、感染症による発熱など。治療5日目くらいからは、指が腫れたりだるさを感じたり、顔が丸くなったりなどの症状が出ました。

体中の毛が抜けてしまいました。女性にとってつらい副作用です

事前に覚悟はしていたのですが、治療を始めてしばらくすると、頭髪を始めとした体中の毛が抜けてしまいました。女性である私にとって、とてもつらい副作用でした。吐き気もひどかったですね。

参照文献・URL

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