メニューボタン

イマチニブ

イマチニブの特徴や副作用、使用上の注意、使用者の体験談などをご紹介します。イマチニブは、慢性骨髄性白血病や急性リンパ腫白血病などの治療に用いられている抗がん剤の一種です。

イマチニブの概要

一般名称 イマチニブ:錠剤
形状 錠剤
分類 分子標的薬
商品名(製造元) グリベック錠100mg(ノバルティスファーマ株式会社)
薬価 2303.5円/錠
適応する症状
  • 慢性骨髄性白血病
  • 消化管間質腫瘍(GIST)
  • 急性リンパ性白血病
  • 好酸球増多症候群
  • 慢性好酸球性白血病

イマチニブの特徴

イマチニブは、慢性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病など、主に5種類のがんの治療に用いられている抗がん剤。がん細胞の増殖に関与している特定のタンパク質を阻害し、がん細胞の拡大を抑制する薬です。

用法・用量

症状に応じ、適切な用法・用量で使用します。慢性骨髄性白血病の場合には、通常、成人において1日1回400mgを食後に経口摂取します。血液所見や年齢、症状の程度などによって投与量が増減されますが、1日の上限投与量は600mgまでとなります。

効果のメカニズム

イマチニブは「bcr-Abl」「v-Abl」「c-Abl」「PDGFR」「KIT」という5つの分子を標的にして働く低分子化合薬という種類の薬。がん細胞の増殖に関与しているタンパク質を選択的に抑え込みます。キナーゼ阻害薬と呼ばれるグループに属します。

他の薬・治療法との併用について

他の成分との相互作用が多く確認されている薬です。グレープフルーツジュースやセイヨウオトギリソウなどの食品との相互作用も指摘されているため、薬の摂取に際しては、患者の側にも併用に関する一定の基礎知識が必要です。

考えられる副作用

イマチニブは多様な副作用が認められている薬剤なので、患者の状態に応じて慎重に投与することが望まれます。

重大な副作用

骨髄抑制 汎血球減少が1%未満)、白血球減少が35%未満、好中球減少が25%未満、血小板減少が30%未満、貧血が30%未満の頻度で認められています。
出血 頻度不明で脳出血・硬膜下出血が認められています。
消化管出血、胃前庭部毛細血管拡張症 1%未満で消化管出血、頻度不明で胃前庭部毛細血管拡張症が認められています。
消化管穿孔、腫瘍出血 消化管穿孔と腫瘍出血が、それぞれ1%未満の頻度で認められています。
肝機能障害、黄疸、肝不全 肝機能障害が10%未満、黄疸が1%未満、肝不全が頻度不明で認められています。
重篤な体液貯留 胸水・腹水が各5%未満、肺水腫・心膜滲出液・うっ血性心不全が各1%未満、心タンポナーデが頻度不明で認められています。
感染症 肺炎が5%未満、敗血症が1%未満の頻度で認められています。
重篤な腎障害 急性腎不全等の重篤な腎障害が5%未満の頻度で認められています。
間質性肺炎、肺線維症 間質性肺炎が5%未満、肺線維症が1%未満の頻度で認められています。
重篤な皮膚症状 多形紅斑と剥脱性皮膚炎が各1%未満、中毒性表皮壊死融解症と皮膚粘膜眼症候群が頻度不明で認められています。
ショック、アナフィラキシー ショック、アナフィラキシーが1%未満の頻度で認められています。
心膜炎 心膜炎が頻度不明で認められています。
脳浮腫、頭蓋内圧上昇 脳浮腫、頭蓋内圧上昇が頻度不明で認められています。
麻痺性イレウス 麻痺性イレウスが頻度不明で認められています。
血栓症、塞栓症 血栓症、塞栓症が頻度不明で認められています。
横紋筋融解症 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇などの横紋筋融解症が頻度不明で認められています。
腫瘍崩壊症候群 腫瘍崩壊症候群が頻度不明で認められています。
肺高血圧症 肺高血圧症が頻度不明で認められています。

その他の副作用

皮膚 挫創/乾癬悪化/水疱性皮疹/血管浮腫/好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet病)/苔癬様角化症/扁平苔癬/点状出血/斑状出血/手足症候群/偽性ポルフィリン症発疹など
精神神経系 リビドー減退/錯乱/痙攣発作/失神など
網膜出血/眼刺激/眼乾燥/黄斑浮腫/乳頭浮腫/緑内障/硝子体出血など
筋・骨格系 坐骨神経痛/関節炎/投与中止に伴う筋骨格系疼痛など
消化器 逆流性食道炎/大腸炎/おくび/胃腸炎/食欲亢進/憩室炎/嚥下障害など
肝臓 LDH低下/LDH・AST(GOT)・ALT(GPT)・ALP上昇など
呼吸器 咳嗽/急性上気道炎/鼻・咽頭炎/呼吸困難/咽喉/頭痛/鼻出血など
血液 リンパ球減少症/好酸球増多症など
血管障害 末梢冷感/血腫/舌血腫/潮紅/血圧上昇/血圧低下など
腎臓 腎臓痛/頻尿/尿沈渣異常/尿中ウロビリノーゲン増加など
浮腫 表在性浮腫(眼窩周囲浮腫/顔面浮腫/眼瞼浮腫等)/下肢浮腫など
生殖器 乳房腫大/乳頭痛/性的不能など
臨床検査 ACTH上昇/TSH上昇/血清リン上昇/血清総蛋白上昇/プロトロンビン時間の短縮/APTTの延長/フィブリノーゲン増加/FDP上昇/低マグネシウム血症など
その他 頻脈/痛風/悪寒/寝汗けん怠感など

以上で挙げた症状以外にも、イマチニブからは非常に多くの副作用が報告されています。

使用上の注意

禁忌

次の患者には投与しないでください。
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
  • ロミタピドを投与中の患者

慎重投与

次の患者には慎重に投与してください。
  • 肝障害のある患者
  • 高齢者
  • 心疾患又はその既往歴のある患者

併用禁忌

次の薬との併用をしないでください。
  • ロミタピド

併用注意

次の薬との併用に注意してください。
  • L-アスパラギナーゼ
  • アゾール系抗真菌剤
  • エリスロマイシン
  • クラリスロマイシン
  • フェニトイン
  • デキサメタゾン
  • カルバマゼピン
  • リファンピシン
  • フェノバルビタール
  • セイヨウオトギリソウ
  • シンバスタチン
  • シクロスポリン
  • ピモジド
  • トリアゾラム
  • ジヒドロピリジン系
  • カルシウム拮抗剤
  • ニロチニブ
  • ワルファリン
  • アセトアミノフェン
  • グレープフルーツジュース

高齢者への投与

高齢者に投与する場合には、次の点に注意してください。

一般に高齢者は生理機能が低下しているため、減量するなどの慎重な対応が必要です。また外国における診療試験では、中等度の表在性浮腫の発現頻度において、若年層よりも65歳以上の高齢者に多く見られたとの報告があります。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦、産婦、授乳婦等に投与する場合には、次の点に注意してください。

妊娠中の患者、または妊娠している可能性がある患者に対しては投与しないでください。妊娠可能な女性に対しては、避妊するよう指導してください。外国において、本成分の摂取によりヒトの流産や奇形が報告されています。

また授乳中の女性においても、授乳を中止するよう指導してください。乳汁への成分の移行が確認されているためです。

小児への投与

小児に投与する場合には、次の点に注意してください。

新生児や乳児、幼児、小児等への投与において、安全性は確立されていません。また、小児に投与したことによる成長遅延の報告が見られます。

イマチニブを使用した人からの体験談

色々な副作用の中でも、特に浮腫みがひどかったです

グリベックで治療を始めて10ヶ月ほど経ちます。初回の処方分から、吐き気や下痢、倦怠感などの副作用を自覚しました。一番ひどい副作用は浮腫みですね。足のくるぶしの骨が見えなくなるほど浮腫みました。

8年続けたら副作用をあまり感じなくなってきました

グリベックを飲み始めてから8年になります。今でも毎朝4錠を飲んでいます。飲み始めたころは、とにかく吐き気がひどかったですね。吐くたびに「あ~、数千円が…」と嘆いていました。8年も続けてきたからか、今では吐き気を感じることはほとんどありません。

極度の筋肉痛と腰痛に悩まされた1週間

筋肉痛の副作用がひどかったです。何かにつかまっていないと立つこともできないほど、本当にひどい痛みでした。立っているのがつらかったので横になっていたら、これも副作用なのか、今度は腰痛がひどくなりました。そんな状態が1週間ほど続いて症状は治まりましたが、あの時は本当につらかったです。

体のいたるところが簡単につるようになりました

グリベックを服用し始めてから1年になりますが、ちょっとした事で全身の色んなところがつるようになりました。ストレッチをやった程度でも、体のどこかがつってしまいます。主治医によると、グリベックの副作用だそうです。

参照文献・URL

がんの種類別に
抗がん剤の副作用を見る

抗がん剤の副作用を
症状別に詳しく見る

抗がん剤の副作用が出る
時期・期間を詳しく見る

抗がん剤の副作用の
リスクマネジメントを見る