アガリクスの効果とその作用

いわゆるバイブル商法で騒がれたことのあるほど一世を風靡したアガリクス。がんなどの免疫疾患に関するメジャー度はどの成分よりも高いといえるでしょう。このページでは、抗がん剤の副作用を抑える作用があるアガリクスがどのように作用するのか、どのような効果があるのか、研究機関などの情報をもとにまとめました。

アガリクスに含まれる成分と研究のきっかけ

アガリクスのイラスト和名でヒメマツタケやカワリハラタケ、ニセモリノカサと呼ばれるキノコの一種、アガリクス。有効成分といわれているのは、多糖体の一種であるβグルカン(β1,3-グルカン)やエルゴステロール、アミノ酸の一種ピログルタミン酸など。特にβ1,3-グルカンに関してはその抗がん作用に大きな期待が寄せられています。

1960年代にアメリカの科学者であるW・Jシンデン博士とE・Bランバート博士らが率いる研究班が、ピエダーデ地方で暮す住民たちはなぜ長寿なのかという点に着目。常食しているアガリクスを持ち帰り研究を開始しました。これがアガリクスが世に知られるきっかけとなりました。

アガリクスを古くから食してきたブラジルのピエダーテ地方の人々は、この地方の人々が長寿でいられるのはアガリクスのおかげであると考え、アガリクスのことを「神のきのこ」「太陽のきのこ」と呼んでいたのだそうです。

1970年代になると人工栽培によってアガリクスの安定供給が可能になったため、有効成分や効果効能の研究にも拍車がかかりました。

アガリクスの効果・効能とその作用にはどのようなものがあるか

長寿を約束するとされたアガリクスには抗がん効果があると言われていますが、それ以外にも心血管疾患や糖尿病などの治療に使用されてきた実績があります。アガリクスの効果に関する研究においては、免疫刺激性や抗変異原生、抗腫瘍性などの効能が確認されています。マウスの腫瘍細胞株における抗腫瘍効果と対比した実験で、アガリクス茸から抽出された成分に関しては高いがん予防効果が確認されていることがわかっています。

さらに韓国での臨床試験では、抗がん剤治療をしている卵巣がんなどの患者にアガリクスを投与したところ、ナチュラルキラー細胞(免疫細胞)の活性が向上、脱毛や倦怠感など抗がん剤による副作用が改善されたという報告があるのだそうです。

がん治療だけでなく、抗がん剤の副作用を軽減する効果があることは、あまり知られていないかもしれません。

免疫力向上効果

アガリクスには体の免疫力を高める効果があります。生アガリクスから抽出したエキスを使ったマウスの実験では、がん細胞が小さくなる、もしくは消失したという研究結果が報告されました。

研究を進めると、アガリクスのエキス成分はがん細胞を直接的に死滅させるのではなく、アガリクスがマウスの体の免疫力を高め、それによってがんの増殖が抑えられたことが判明。アガリクスを摂取することは、免疫細胞を活性化させ、がん細胞の発育の抑制につながるといわれています。

アポトーシス作用

アポトーシス作用とは細胞の活動サイクルを正常に戻してくれる作用。アガリクスに含まれる成分のエルゴステロール誘導体が、腫瘍細胞のアポトーシスに作用することが認められました。

過去にはアガリクスからエルゴステロール誘導体を取り出し、その成分をがん細胞に添加する実験がホクトきのこ総合研究所により行われました。24時間後の状態を観察すると、がん細胞が死滅しているのを確認。濃度が高いほどがん細胞の死滅率は高いという結果がでたそうです。また肺がん治療で抗がん剤が効きにくい症例にもアポトーシスを応用すれば改善が見られたという結果も出ています。

抗がん剤治療の効果促進作用

アガリクスには抗がん剤や放射線治療による免疫力低下や細網内皮系(さいもうないひけい)の機能低下を防止する作用があります。細網内皮系機能は体がもともと持っている防御機能で、古い赤血球や病原菌を食べて消化する働きをする機能です。

アガリクスの抽出液と抗がん剤を一緒にマウスに投与した実験結果では、抗がん剤を単独で使うよりも抗がん剤の効果を向上させることに成功したという報告があります。がんの治療を行うと免疫力などが低下。アガリクスを抗がん剤と併用することで免疫力の低下を抑制し、副作用を低減してくれる効果があると考えられています。

高脂血症改善効果

アガリクスは高脂血症を改善してくれる効果も期待できます。高脂血症は血液中のコレステロールや中性脂肪が一定以上になることで発症。心臓に繋がっている冠動脈に動脈硬化が起こると、狭心症や心筋梗塞などになる可能性があります。

加齢による動脈硬化は徐々に進行しますが、高脂血症による動脈硬化は短期間で血管を塞いでしまうのです。アガリクスに神経や血液の状態を良くし、赤血球の働きを正常化する働きがあります。コレステロールは腸で脂肪酸と結合するのを防ぎ、吸収、排出し正常化。高脂血症や動脈硬化を予防・改善する効果に期待できます。

アガリクス摂取による副作用

がんの抑制や高脂血症などの改善に効果が期待されるアガリクス。PLoS One.誌(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=28002446)に掲載された論文では、摂りすぎるとサイトカインの産生を活性化させ短時間でサイトカインを増加しすぎる副作用があると書かれています。サイトカインが増えると悪性リンパ腫やリンパ性白血病などのリンパ球系の悪性腫瘍にも活性を与える危険性があるので、抗がん剤治療と並行して摂取する際には、担当医とのコンセンサスが必要です。

またアガリクスは食物繊維を多く含むため、飲みはじめはお腹が緩くなる場合があります。一過性のものなので飲み続けて慣れてくると良くなることがほとんどですが、あまりに続くようでしたら担当医や看護師に相談してください。

またアガリクスを含むキノコ類には血圧を下げる効果があるため、もともと血圧の低い人は気をつける必要があります。抗がん剤投与のアレルギー反応として血圧の低下が見られることがありますので、通院で抗がん剤治療を受ける場合は、あらかじめアガリクス製品を摂取することを相談すべきでしょう。

実際に、抗がん剤治療を行っているがん患者に対してアガリクス茸を摂取させた臨床試験では、抗がん剤の副作用による免疫抑制を改善すると報告されていますし、生活の質(=QOL)の改善も見られたことも報告されています。

アガリクスが一時期副作用や発がん作用を助長するなどとメディアで大きく取り上げられたことから心配な方もいるかもしれません。

最も抗がんサプリメントとして認知されている一つにアガリクスがある.一般にブラジル原産の和名カワリハラタケ(Agaricus blazei Murril)のことをアガリクスと称し,キノコを原料としたサプリメントとして広く販売され,以前は非常に高価であったが,1990年代に栽培方法が確立され低価格でも販売されるようになった.このキノコはブラジルより種菌が日本に導入され,1970年代後半より国内で人工栽培され,当初はヒメマツタケとして販売が始まった.その後,複数の研究機関から抗腫瘍効果(免疫療法)や血糖値降下作用等が報告され,注目が高まった〜中略〜2003年以降,日本の国立医薬品食品衛生研究所が国内で流通するアガリクス製品(キリンウェルフーズの「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」,サンドリー(現:SSI)の「仙生露顆粒ゴールド」,サンヘルスの「アガクリスK2ABPC顆粒」)について検査した結果,2006年2月13日に麒麟麦酒(現:キリンホールディン グス)子会社であったキリンウェルフーズ(現:ヤクルトヘルスフーズ)が発売する「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」について,ラットに対する中期多臓器発がん性実験で,発がん作用を助長・促進するがんプロモーター作用が認められ,販売停止と回収を要請したことを発表.同社は,アガリクスを含む全製品の即日販売停止と回収を決定した

出典: (PDF) 「日常生活におけるサプリメントの光と影」順天堂医学,57(2),2011[PDF]

厚生労働省では、ウェブサイト上でアガリクスを含む製品に対するQ&Aを掲載。サイト内では、アガリクスを含む製品が人に対して健康被害を示した例は国内ではないとしています。また、対象となった製品以外のアガリクスを含む製品全てが発がん性を促進する作用を持つとは疑われるものではないとも言及しています[2]。

また、副作用として胃腸障害や低血糖、アレルギー反応、肝機能障害なども報告されています[3]から、摂取を始めてから異変を感じた場合は速やかに使用をやめましょう。加えて、肝機能障害を予防するためにも、肝疾患がある方は、アガリクスの服用は避けたほうがいいでしょう。

また、アガリクスと書かれている健康食品の中には、アガリクスではなく別のキノコを使った商品もありますので、きちんと本物のアガリクスを使った商品なのか購入前にチェックするとともに、医師にもアドバイスを仰ぐようにするといいでしょう。

[2]

出典: 厚生労働省「アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A」(2018年5月1日確認) [3]

出典: 「健康食品」の安全性・有効性情報『アガリクス』(2018年5月1日確認)

アガリクスの抗がん剤に対する効果

化学療法を受けているがん患者の方に対して、アガリクス茸を摂取させた臨床試験報告では、アガリクスの摂取後、QOLの向上や免疫力の改善などが報告されています。

最新の変異原性試験結果とともに2年間の長期発がん性試験の陰性結果を持ってアガリチンもアガリク茸(品質管理された検体)のいずれにおいても変異原性も発がん性も全くないことが示唆されたのである.アガリクス茸摂取における,化学療法施行中のがん患者のQOLの改善を見た臨床試験においては, 化学療法施行中のがん患者の QOL の改善をみた臨床試験においては,化学療法により免疫抑制状態にある患者の免疫刺激性の改善を示唆している.アガリクス茸摂取後,質問調査形式による 782 人の癌患者の QOL 分析結果によると,アガリクス茸の摂取によりがん患者の QOL が改善している事が報告されている.したがって,がん患者における,がん化学療法(抗がん剤)との組合せにおけるアガリクス茸摂取が相乗効果的にがん化学療法の結果を高める可能性があると推測する事は妥当であろう.

出典: 「アガリクス・ブラゼイ・ムリル製剤における複合的がん予防効能及び安全性研究の現状」日本補完代替医療学会誌,6(2),2009

抗がん剤治療は白血球数が減少し、免疫力が低下してしまうことにより、感染症リスクの増大など日常生活にも支障をきたす副作用があります。そのため、抗がん剤治療中の方にとって、低下した免疫力を高めるという点でアガリクスの効果を期待することはできるかもしれません。

アガリクスの抗がん剤副作用抑制以外の効果

アガリクスには、他にも血糖値を下げる作用や血圧降下、コレステロール値の低下、動脈硬化予防・改善などの作用が期待されています。他にも、花粉症によるアレルギー症状がアガリクスを摂取したところ改善されたなどの例も報告されています。[1]。

また、がんの予防効果や抗腫瘍効果もありますから、健康な方も是非日常的に摂取してみたいところ。

糖尿病や動脈硬化などの心配がある方も、血糖値を下げ、血管を健康に保つために、アガリクスを活用してみてはいかがでしょうか。

[1]

出典: (PDF) 「アガリクス健康法」日本未病システム学会雑誌,9(2),2003[PDF]

その他、抗がん剤の副作用を軽減する成分はこちら

フコイダン

昆布などの海藻のぬめり成分であるフコイダンは日本人が食事で古くから摂取してきた栄養素です。水溶性食物繊維の一種であるフコイダンにはどんな抗がん剤の副作用を軽減する効果があるのでしょうか。解説します。

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プロポリス

健康食品として知られるプロポリスにも、抗がん剤の副作用を軽減する作用があると言われています。免疫力向上や抗酸化作用など古代より民間療法に多く使用されてきたプロポリスの持つパワーについて詳しく見ていきましょう。

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メシマコブ

免疫機能を向上させ、下痢や食欲低下などの副作用を軽減する作用もあると言われるメシマコブ。他にもアレルギー症状の緩和や糖尿病予防など様々な健康効果が報告されています。メシマコブについて詳しく解説します。

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スクワレン

深海に住む鮫の肝臓エキス、スクワレンは細胞の新陳代謝を活性化させる成分です。マウスを使った実験では、がん細胞の増殖を50%も抑制するという結果も報告されているスクワレンについて知りましょう。

「スクワレン」の詳細はこちら

 

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《参照元サイト一覧》

CiNii/NII学術情報ナビゲータ[サイニィ]

国立がん研究センター がん情報サービス「薬物療法(抗がん剤治療)のことを知る」

阿賀陸輔博士のアガリクス講座

癌・機能性成分の比較情報サイト

【PDF】がん補完代替医療ガイドライン第1版

【特集】抗がん剤の副作用を軽減する希少な特許成分
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