フコイダンの効果とその作用

サプリメントに含まれ、注目を浴びているフコイダンについて調べました。がん細胞の働きを抑制してくれる?抗がん剤治療による副作用を抑えるって本当?効果や効能があるかどうかについても載せているので、ぜひご覧ください。

フコイダンとはどのような成分?

フコイダンのイラスト昆布やワカメ(メカブ)、モズクなどの褐藻類に含まれている特有のヌメリ成分のフコイダン。1913年にウプサラ大学に所属するスウェーデン人の科学者 H・Z・キリン氏によって発見されました。

分子構造が複雑なため当時の技術では分析が困難でしたが、技術の進歩により成分が抽出できるように。水溶性食物繊維の一種であり、科学的には硫酸化フコースを主とする高分子多糖類に分類されます。

硫酸化フコース以外には、マンノースやキシロース、ガラクトースなどの成分が結合。がん抑制効果があると考えられ、医学界で注目されています。

フコイダンの効果・効能とその作用

九州大学大学院による研究結果からフコイダンには体の免疫力を高める作用があると判明したことで、免疫力アップの栄養成分として注目されています。特に注目したいのは、主に以下の3つ。

  • 細胞を刺激して免疫力を向上させる「免疫力強化作用」
  • がん細胞のみに反応し正常な働きをさせる「アポトーシス作用」
  • がん細胞が血管を作り出すのを抑える「新生血管抑制作用」

フコイダンは免疫力を向上させ、がん細胞の働きを抑制することで、抗がん剤の副作用を軽減する効果に期待できます。その他にも、ヘルペスやHIVに対抗する「抗ウイルス効果・抗菌作用」や、胃の粘膜を保護する「健胃効果(胃潰瘍・ピロリ菌を抑制)」があるとされている成分です。

免疫力向上効果

フコイダンは体内の免疫細胞を刺激して活発化させることで生産を促します。また抗腫瘍作用やNK(ナチュラルキラー)細胞の活性化させるインターフェロン-γ(IFN-γ)の生産を促すことが確認されています。

その結果、体の免疫システム全体が促進。タカラバイオ株式会社(https://agribio.takara-bio.co.jp/)によるマウスを使用した実験では、免疫力向上効果が認められたそうです。

がん細胞(S-180)をマウスに移植し、1週目からフコイダンを飼料に混ぜて与えたところ、抗腫瘍作用がありました。免疫力が向上することで、抗がん剤の使用量を減らせます。

抗がん剤の副作用軽減効果

鳥取大学医学部と民間企業(海産物のきむらや)の産学協同研究で、制がん剤治療によって生じる倦怠感などいくつかの副作用に関して、フコイダンにその副作用軽減効果が示唆されたことを国際的ながん研究の学術誌『Oncology Letters(腫瘍学・短報)』発表。世界で初めて大腸がん患者20人に6ヵ月間投与して臨床試験を実施しました。

その結果、フコイダン投与群は非投与群と比較して、抗がん剤による副作用が発現が減少するという有意なデータが確認されたそうです。

アポトーシス作用

正常な細胞は一定期間を過ぎると自ら死を選ぶように遺伝子に組み込まれており、この作用は医学用語で「アポトーシス」。人間の体には60兆個の細胞が存在しています。新陳代謝によって古い細胞が死滅し、新しい細胞と入れ替わることで、60兆個の細胞を健康に保つよう作られているのです。

ところが、がん細胞にはアポトーシス作用がないため、増え続け転移を繰り返し体中へ拡大しています。それを防ぐのがフコイダンです。フコイダンは、がん細胞を正常な細胞と同じように自ら死を選ぶように導く働きを持っており、転移を防ぐ作用があります。正常な細胞と同じように、がん細胞にアポトーシス作用を与えるとして注目されているのです。がん細胞の働きを抑制できれば抗がん剤の使用量を減らせるので、副作用の軽減に繋がります。

血管新生抑制作用

フコイダンは新しい血管を作りだす「血管新生」という働きを抑えることで、体への負担を軽減します。またフコイダンはがん細胞が自ら血管を作り出そうとするのを抑制。栄養が行き届かなくなり、細胞を内部から壊死させることに繋げます。

がん細胞は生命力の強い細胞で自ら血管を作りだす能力を備えています。血管から栄養豊富な血液を得て増殖することで、がん患者への大きな負担に。免疫細胞の力ががん細胞に負けると、症状が進行して発病してしまいますが、フコイダンが持つ力ががん細胞の活性化を抑えてくれるのです。

フコイダンを摂取すると免疫細胞も活性化されるため、がんの進行を抑える効果に期待できるでしょう。がんへの優れた抑制作用を持つフコイダンを摂取すると、抗がん剤の服用を減らせるため、副作用を軽減することに期待できます。

抗ウイルス効果・抗菌作用

フコイダンには、抗ウイルスや抗菌作用に効果が期待できます。ウイルスをアポトーシス作用(自ら死滅させる)に誘導したり、ウイルスの病原性を不活性化したりする中和抗体価上昇に効果があるとのことです。

また食中毒菌(サルモネラ菌等)の増殖を抑える効果に期待できます。抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えるため、免疫力を低下させてしまう原因に。フコイダンは低下してしまった免疫力を補う効果があるため、摂りいれておくと免疫力をキープしてくれる成分だと言えます。免疫力が向上すれば抗がん剤の量も抑えられるため、結果的に副作用の軽減に繋がるのです。

健胃効果(胃潰瘍・ピロリ菌)

フコイダンは除菌効果あり、健胃効果が得られると研究結果が報告されています。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌。フコイダンを構成する成分のひとつである硫酸基がピロリ菌を除菌する成分として注目されています。硫酸基は胃の粘膜にも存在し、ピロリ菌が好んで吸い付く性質があるそうです。

フコイダンを摂取することで胃の中に硫酸基を増やし、胃粘膜の硫酸基の代わりとなってピロリ菌を吸い付けます。そのままを腸へと押し流すことにより胃からピロリ菌が除去され、胃を保護するとのこと。ピロリ菌は胃がんの原因と考えられているため、がん予防をするうえで必ず取り除いておきたい存在です。

フコイダンに副作用はある?

がんの薬物療法では、吐き気や脱毛、食欲不振など多くの副作用が現れることがありますが、天然成分であるフコイダンには副作用はありません。フコイダンの成分は、海藻の「ヌメリ」部分に含まれる栄養成分です。多くの健康作用があると注目を浴び、九州大学で研究が続けられています。

現在までにフコイダンを摂取して副作用があったという報告はないとのこと。第三者機関によるマウスを使った単回経口毒性試験もクリアし、安全性が実証されています。副作用ではありませんが、摂取後に血流が良くなり身体がほてることがあるそうです。また海藻アレルギーを持っている人は摂取を控えたほうが良いでしょう。

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所による、「健康食品」の安全性・有効性情報を記した素材情報データベースでも、フコイダンの安全性に対して“信頼できる十分な情報が見当たらない”とされています。ガゴメ昆布由来のフコイダンの安全性評価に関する研究では、マウスを使った実験でも遺伝毒性は陰性という結果を記していることなどから、副作用に関してはそれほど心配することのない、安全性が高い健康食品と言えるようです。

フコイダンは昆布や,ワカメ,もずくなどの褐藻類に含まれる他党成分であり,熱水により容易に抽出される.われわれ日本人は長年,海藻をそのままの形やだしの形で属している.従って,フコイダン自体はその職経験からも安全性が極めて高い食品成分と言える.Kimらはワカメメカブ由来のフコイダンについて遺伝毒性試験を実施し,復帰突然変異試験,染色体試験,小核試験において問題がないことを報告している.今回の遺伝毒性試験においてガゴメ昆布フコイダンは全て陰性の結果であったことにより,人に対して安全性が高い食品素材であると考えられた

出典:(PDF)「健康食品素材の有効性評価及び健康影響評価に関する研究」栄養学雑誌,74(5),2016 [PDF]

実際、がん患者に対してガゴメ昆布由来のフコイダンを長期摂取させ、その安全性を調べた研究では、がん治療を終えた方、がん治療中で抗がん剤などを服用中の方に対してガゴメ昆布フコイダンを1日200〜300mgの量、8週間摂取してもらったところ、免疫機能や尿検査値、血液検査値のいずれでも問題となる値は見られなかったことから、がん患者の方も安心して服用できる健康食品と言えるようです。

ガゴメ昆布フコイダンのがん患者に対する安全性をオープン試験により評価した.がん治療を終えた者 16 名(男性 6 名,女性 10 名,62.8 ± 10.7 歳)ならびにがん治療中で抗がん剤やホルモン剤を内服中の者 10 名(男性 4 名,女性 6 名,67.0 ± 10.6 歳)にガゴメ昆布フコイダン(1 日摂取量 200~300 mg)を配合した食品を 8 週間摂取してもらい,摂取前と摂取 4 週間後および摂取 8 週間後に血液検査,尿検査,QOL 調査,免疫機能検査を行った.その結果,いずれの検査においても臨床上問題となる変動はみられなかった.また,試験食品に起因し臨床上問題となる有害事象も認められなかった.以上の結果から,ガゴメ昆布フコイダンはがん患者に対し安全性の高い食品素材であることが示された.

出典:(PDF)「がん患者に対するガゴメ昆布フコイダンの長期摂取の安全性評価」日本補完代替医療学会誌,10(1),2013 [PDF]

出典: 「健康食品」の安全性・有効性情報『フコイダン』(2018年5月1日確認)

フコイダンの抗がん剤に対する効果

がん患者の方に対して、低分子化フコイダンの摂取を組み合わせた治療を糖質制限食や漢方、気功などと合わせて行った結果、抗がん剤治療の結果が芳しいという結果も報告されています。

癌の統合医療として星状神経節ブロック、糖質制限食、漢方薬、気功などと低分子化フコイダンを組み合すことでより良い臨床経過を示す症例を以前の症例に加えて報告する。①5 年以上の経過のある80 歳男性、肝臓がんステージIV 症例、②65 歳女性、肺がんIII、4 年前に右肺上葉切除、その後分子標的薬、抗がん剤治療で様子観察の2015 年9 月胸水++の状態から改善症例、そして③経過は5 年に満たないがアポトーシスの指標の抗p53 抗体が明らかに低下した60 歳女性乳がんステージIIA に関しては、統合医療3 日断食療法での自律神経調節能、血管年齢の変化、ケトン体データ変化について報告する。④73 歳再発膵臓がんステージIII のセロトニン、アディポネクチン、ケトン体データ、その経過からのメッセージを今後の医療の良き提言として考察し、当院での4症例を報告したい。

出典:(PDF)「ガンに対する低分子化フコイダンを中心とした 統合医療の臨床改善報告」国際生命情報科学会誌,34(2),2016 [PDF]

加えて、婦人科領域のがん患者に対しては、フコイダンを服用させることでNK細胞の活性や免疫機能の上昇、生活の質の改善なども報告されています。

フコイダンは,婦人科領域のがん患者で NK 細胞活性と免疫機能の上昇,自覚的なQOL の改善があったという報告9)であった.ウコンは,in vitro による試験が 1 件あった.

出典:(PDF)「入院患者における抗がん効果を期待した健康食品の有効性についての文献調査」医療薬学,35(6),2009 [PDF]

抗がん剤治療により、免疫が低下した場合にもフコイダンは免疫力を高めるなどの作用があることから有効です。他にもフコイダンには育毛作用があることも報告されているため、抗がん剤による脱毛などの副作用にも一定の効果が期待できるといえるでしょう。

フコイダンの抗がん剤副作用抑制以外の効果

フコイダンには、抗がん剤副作用を抑制する作用以外にも免疫力を高める作用やインフルエンザ予防、育毛作用などの機能性が報告されています。

最近ではガゴメ昆布フコイダンの機能性に関する研究が進められており,抗腫瘍作用,免疫賦活作用,血栓形成抑制作用,インフルエンザ予防作用,育毛作用など多様な働きが報告されている

出典:(PDF)「健康食品素材の有効性評価及び健康影響評価に関する研究」栄養学雑誌,74(5),2016 [PDF]

このほかにも、フコイダンには抗HIV作用やリンパ腫由来細胞株に対してアポトーシル誘導作用などを持つこともわかっています。

その他、抗がん剤の副作用を軽減する成分はこちら

アガリクス

アガリクスは、抗がん作用や糖尿病治療に高い効果を示す健康食品として知られています。 どんな副作用軽減効果があるのか。アガリクスの持つパワーについて解説します。

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プロポリス

プロポリスはハチの巣の材料として使われている成分です。健康食品として世界各国で重用されているプロポリスにも抗がん剤の副作用を軽減する効能があると言われています。

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メシマコブ

抗がん作用などが着目されているメシマコブは、キノコの一種。免疫機能を高め、がんの転移を予防するなどの効果があると言われています。効果効能や作用について知りましょう。

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スクワレン

スクワレンは不飽和脂肪酸の一種で、深海鮫エキスと呼ばれることもある成分です。深海に住む鮫の肝臓エキスで細胞の新陳代謝を活性化させる健康成分として注目されています。

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「抗がん剤の副作用を軽減してくれる成分」とは >>

《参照元サイト一覧》

九州大学大学院「海草由来酵素消化 低分子化フコイダンの抗腫瘍効果を中心とした研究

高分子もずくフコイダン

フコイダン療法をお考えなら統合医療と健康を考える会

がん補完代替医療ガイドライン第1版

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