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白血病

白血病の治療で重要な役割を担う抗がん剤。使われる薬の種類や期待できる効果、副作用の現れ方などを分かりやすく解説します。

白血病で抗がん剤を使う目的

白血病は、白血球が悪性腫瘍となった血液のがんです。がん化した成分の種類によって「骨髄性」と「リンパ性」の2つに大別され、さらに進行スピードによって「急性」と「慢性」に分かれます。

なかでも一番多いのは急性白血病で、約1/4が慢性白血病です。治療法は病気の種類によって異なりますが、白血病は薬剤感受性が高いため抗がん剤治療が中心です。

さらに、再発予防に放射線治療が行われたり、抗がん剤が届きにくい中枢神経などに直接薬を注射することもあります。

昔は、白血病は不治の病とされていましたが、現在は薬の研究が進んだことにより寛解・完治が目指せるようになりました。

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白血病の抗がん剤の種類とレジメン(組み合わせ)

急性骨髄性白血病

  • アントラサイクリン系薬剤とシタラビンの併用:再発や難治性、さらにCD33が陽性の場合、この薬剤が有効と言われています。
  • 分子標的薬のトレチノイン:急性前骨髄球白血病に対し有効。単独でも用いられますが、多くの場合、他の抗がん剤と併用されます。

急性リンパ性白血病

  • VP療法(ビンクリスチン+プレドニゾロン)とアントラサイクリン系抗生物質(ダウノルビシンやドキソルビシン)

この種類の組み合わせの薬剤が基本的に用いられます。場合によっては、L-アスパラキナーゼ、シクロホスファミドが追加されることもあります。

再発または難治性のT細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)には、ネララビンと呼ばれる薬剤も有効です。

慢性骨髄性白血病

  • 分子標的薬のイマチニブ

急性転化した場合には、ビンクリスチンとプレドニゾロンを含む数種類の薬剤の併用療法が選択される場合が多くあり、シタラビンとアントラサイクリン系薬剤が併用して用いられることもあります。

分子標薬の副作用

  • 消化器症状:吐き気、嘔吐、下痢など
  • 皮膚の発疹:皮膚が赤くなる、かゆみが出るなど
  • むくみ、体重増加:目のまわりが腫れる、靴が履けない、筋肉が圧迫されて痛む、歩きづらいなど
  • 筋肉痛・筋肉のけいれん:足や手が痛む、力を入れたときにつる、夜寝ているときに体がつるなど
  • その他:発熱、重度のさむけ、喉の痛み、口内炎、出血、貧血症状など

抗がん剤の種類別に
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白血病治療で使われる抗がん剤の副作用

白血病の治療では非常に強い抗がん剤を使うため、副作用も強く65歳以上の高齢者の場合は薬剤の量や投与日数を減らすなどして対応します。

副作用の症状としては、脱力、吐き気、嘔吐、下痢、脱毛、貧血、血液凝固機能の低下、食欲低下、免疫力低下、口腔・咽頭の痛みなどが挙げられます。嘔吐は制吐剤により軽減できますが、白血球や血小板の減少においては輸血で対応することになります。

薬剤によって副作用の現れ方や程度は異なるので主治医による管理が必要となります。また、寛解から社会復帰までの道のりが長いため、心のケアも大切だと言われています。

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急性白血病における抗がん剤治療の特徴

急性白血病の抗がん剤治療は、寛解を目指す「寛解導入法」と、寛解をより確実なものにするための「地固め療法」の順に行われます。

寛解導入法

骨髄中に白血病の細胞が5%以下になる完全寛解を目指す強力な治療法です。

シタラビンなどのアントラサイクリン系薬剤や、イダルビシン、ダウノルビシンなど、作用の異なる薬を7~10日間投与し、白血病細胞を壊し、白血病細胞を減らしていく治療です。

この治療を行うと一時的に正常な赤血球や血小板も失われるため、極端に減少した場合は輸血が行われます。

急性骨髄性白血病のなかでもM3というタイプは異なる抗がん剤が使われ、レチノイン酸というビタミンA誘導体も加わります。

地固め療法

寛解を確実なものにするための強力な治療法で、5~6ヶ月かけて3~4コースを繰り返します。

白血病細胞のなかに特定の染色体異常があったり、完全寛解までに時間がかかったりした場合は再発リスクが高いため、地固め療法の時点で造血幹細胞移植が行われます。

慢性白血病における抗がん剤治療の特徴

慢性白血病の治療にはこれまでインターフェロンが使われてきましたが、完全寛解は20%にとどまり、その他の選択肢としては造血幹細胞移植しかありませんでした。

しかし、分子標的薬のイマチニブが登場したことで抗がん剤治療は目覚ましい進化を遂げ、現在は、ニロチニブとダサニチブを加えた3薬が慢性白血病の主流薬として適応されています。

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