肝臓がん

肝臓がん治療で使われる抗がん剤について、薬の種類や期待できる効果、副作用を分かりやすく解説します。

肝臓がんで抗がん剤を使う目的

肝臓がんの治療は手術、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、エタノール注入療法、肝動脈塞栓療法、肝動注療法、全身化学療法、放射線治療、肝臓移植といった肝臓がん特有の治療法があります。

そのなかで抗がん剤は肝動注療法、全身化学療法の治療で使われます。

「肝動注療法」は、肝動脈にカテーテルの先端を置き、高濃度の抗がん剤を直接肝臓がんに流れるようにした治療法。「肝動注療法」は、がんが進行し切除不可能な場合や、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓療法の治癒が期待できない場合に適応されます。皮下にポートという装置を埋め込む処置が必要になりますが、入院せず外来通院で済みます。

肝機能は良好だけど肝臓以外に転移がある場合、または肝臓内にがんが多発していて肝動脈塞栓療法や肝動注療法ができない場合は、全身化学療法が標準治療となります。この治療法は、肝臓がんに対して唯一、延命効果が証明された治療として2009年5月に承認されましたが、副作用の調整が難しく、医師の知識と経験が必要とされます。薬物療法に注力した内科医のいる病院で治療することをおすすめします。

肝臓がんにおける抗がん剤治療の特徴

肝臓がんは抗がん剤が効きにくいがんと言われていました。現在も抗がん剤が進歩しているとは言え、抗がん剤の種類が限られており、大規模な臨床試験が行われていないため世界的には同意が得られていません。治療のアルゴリズムはありますが、例外が多数あるということを理解しておきましょう。

肝動注療法で使われる薬剤

シスプラチンの単独治療、もしくは5-FU+シスプラチンの併用が選択されます。

分子標的薬

肝臓外の臓器に転移があり全身にがん細胞が散らばっているとみなされる場合は、ソラフェニブを使った全身療法が行われます。

肝臓がん治療で使われる抗がん剤の副作用

シスプラチンの副作用では悪心、吐き気、食欲不振、倦怠感、骨髄抑制、肝機能障害などが、フルオロウラシルの副作用では骨髄抑制、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れます。嘔吐など、あらかじめ副作用が予測されるため、制吐剤を使って対処をします。

分子標的薬のソラフェニブは、従来の抗ガン剤特有の脱毛、吐き気などの副作用はありませんが、手足の痛み、赤み、水ぶくれ、下痢、食欲不振、高血圧などの特有の副作用が現れます。

また、ソラフェニブには肝不全や肝性脳症といった重篤な副作用リスクがあるため、肝機能が低下している(肝障害度B、C)患者さんにはおすすめできません。

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