悪性リンパ腫

悪性リンパ腫の治療で使われる代表的な抗がん剤とそれぞれの特徴、副作用を解説します。

悪性リンパ腫で抗がん剤を使う目的

悪性リンパ腫は、白血病・多発性骨髄腫と並ぶ血液悪性三大疾患の1つ。白血球のなかのリンパ球と呼ばれる細胞ががん化した病気です。全身どこでも発生し、リンパ腫が腫れて発見されることが多いです。悪性リンパ腫はさらに、「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の大きく2つに分けられています。日本人はホジキンリンパ腫が1割程度。大半は非ホジキンリンパ腫が占めています。

治療法は、放射線療法、抗がん剤、造血幹細胞移植の3つ。悪性リンパ腫はリンパ球が腫瘍化する病気なので、手術などの局所療法はせず放射線や抗がん剤による全身治療がメインとなります。抗がん剤は、がん細胞の縮小と壊滅を目的に使われます。

悪性リンパ腫は薬剤感受性が高く抗がん剤が効きやすいため、放射線治療と抗がん剤の併用で寛解することも可能です。実際に、ホジキンリンパ腫では約70%、非ホジキンリンパ腫では約60%の患者さんが治療後に寛解しているという報告があります。

悪性リンパ腫の治療で使われる代表的な抗がん剤

悪性リンパ腫に適応となる抗がん剤はたくさんの種類があり、悪性リンパ腫の種類によって複数の抗がん剤を併用していきます。非ホジキンリンパ腫はB細胞リンパ腫、T/NK細胞性、節性リンパ腫、節外性のタイプがあり、さらに進行の程度によって治療法が異なります。

ホジキンリンパ腫

ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの抗がん剤を使ったABVD療法が標準治療として確立しています。「領域照射」と言う病変のあるリンパ領域に照射する放射線療法を併用するのが一般的で、この併用療法による5年生存率は70~80%となっています。

非ホジキンリンパ腫

非ホジキンリンパ腫の過半数を占めるBリンパ腫では、シクロホスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン・プレドニゾロンの抗がん剤を使ったCHOP療法が主流でしたが、このCHOP療法に分子標的薬のリツキシマブを加えたR-CHOP療法が標準治療となっています。

リツキシマブは2001年に承認された薬剤で、この治療法の登場により5年生存率が約20%向上。5年生存率は58%と報告されています。

2007年には非ホジキンリンパ腫の新しい抗がん剤フルダラビンが承認され、抗がん剤が効きにくかった低悪性度の濾性胞リンパ腫、中悪性度のマントル細胞リンパ腫に使われるようになりました。

そのほか、再発性の悪性リンパ腫にはイブリツモマブチウキセタン、ブレンツキシマブ、ベドチン、モガムリズマブ、ボリノスタットなどの分子標的薬が選択されます。

悪性リンパ腫の治療で使われる抗がん剤の副作用

ホジキンリンパ腫で使われる抗がん剤の副作用

ホジキンリンパ腫の標準治療となるABVD療法の主な副作用は、骨髄抑制における白血球や血小板、赤血球の減少、血小板の減少、吐き気・嘔吐、脱毛、口内炎など。そのほか、息切れや息苦しさ、足のむくみなども報告されています。

とくに、ブレオマイシンは肺障害の副作用があり、重症化すると命に関わる危険があります。呼吸器症状に異常を感じたらすみやかに主治医に連絡しましょう。

非ホジキンリンパ腫で使われる抗がん剤の副作用

一方、非ホジキンリンパ腫の標準治療となるR-CHOP療法の副作用は、骨髄抑制における白血球や血小板、赤血球の減少、肝機能低下、腎機能の低下、食欲不振、吐き気、嘔吐、便秘、倦怠感、手足のしびれ、のどの痛み、発熱、脱毛などがあります。

副作用が重症化すると呼吸困難や感染症を起こす恐れもあるため、気になる症状が現れたら速やかに主治医に報告してください。

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