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抗がん性抗生物質

抗生物質を利用したがん治療薬、抗がん抗生物質の特徴をまとめました。代表的な薬や対象となるがん、副作用について解説します。

微生物由来の抗生物質、抗がん性抗生物質

抗がん性抗生物質は、その名の通り抗がん作用のある抗生物質のことを指します。抗生物質と言えば、ペニシリンなど風邪をこじらせたときに使われる身近な薬剤。細菌の増殖を阻害する薬でカビなどの微生物を利用して作られています。

1928年、世界で初めてペニシリンが発見され、そして、抗がん性抗がん剤が初めて発見されたのは1940年のこと。アクチノマイシンDという抗生物質に抗がん作用があることが判明し、これを機に抗がん性抗生物質の研究が進みました。

抗がん性抗生物質はたくさんの薬がありますが、現在、最も多用されているのは1955年に北里研究所で開発された日本初の薬剤、マイトマイシンです。

どの薬剤も共通して言えるのは細胞内のDNAやRNA(リボ核酸)に直接作用し、DNAを傷つけてがん細胞を死に追いやること。抗生物質はDNAの複製を防ぐので細胞分裂が活発な細胞ほど薬が強力に作用することになります。

抗がん性抗生物質の種類とそれぞれの効果

抗がん性抗生物質は数多くありますが、最も広く使われているのは日本で発見され世界各国で導入されているマイトマイシンCやブレオマイシン、エピルビシン、ドキソルビジンなどです。これらの薬剤は高い効果が見込めますが、同時に強い副作用が現れることでも知られています。

抗がん性抗生物質は主に血液系のがんに有効ですが、消化器がんや固形がんにも効果が認められています。

抗がん性抗生物質の種類 効果
マイトマイシン アルキル化剤と同様の働きを持つ。慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃がん、膀胱がんなどに適応される。
ブレオマイシン DNAの合成を阻害しがん細胞の増殖を防ぐ。皮膚がん、頭頸部がん、肺がん、食道がん、悪性リンパ腫、子宮頸がんなどに使用される。
アムルビシン 小細胞肺がんに有効。単独投与で75.8%という高い奏効率を得ている。反面、副作用の肺炎により死に至ることもある。
イダルビシン 急性骨髄性白血病や慢性骨髄性白血病の急性転化に使用される。
ダウノルビシン DNAの合成を阻害し、切断する作用を持つ。急性骨髄性白血病に有効。
ドキソルビシン 代表的な抗がん性抗生物質の一つ。悪性リンパ腫、胃がん、肝臓がん、大腸がん、乳がん、多発性骨髄腫など、様々ながんに使用される。

抗がん性抗生物質の副作用

抗がん性抗生物質は薬によって副作用が異なりますが、比較的副作用は強いことで知られています。強い骨髄抑制、吐き気があるため治療の前後に制吐剤を飲むのが一般的です。ほかにも心臓障害を引き起こす薬もあります。

細胞周期に関係なく効果を発揮する

抗がん性抗生物質は細胞周期に関係なく作用するため、進行の遅いがんにも有効です。また、多くのがんに適応可能なため併用されることも少なくありません。一方、副作用が強力なため決められた最大投与量を守るともに、投薬後の経過観察が大切になります。

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