代謝拮抗剤

代表的な抗がん剤の1つである代謝拮抗剤(たいしゃきっこうざい)について、治療の特徴や効果、副作用を分かりやすく解説します。

がん細胞のDNA合成を防ぐ、代謝拮抗剤

代謝拮抗剤は、がん細胞が分裂し増殖するときに作るDNAの構造に似た薬剤です。DNAを合成する際には酵素が必要となりますが、この酵素に似た薬剤を投与することで、がん細胞がDNAの一部だと勘違いして細胞内に取り込みます。すると、不完全なものができて分裂できなくなるため、がん細胞の増殖を抑えることができるのです。

代謝拮抗剤の研究が始まったのは1948年と古く、小児白血病の治療で症状の緩和が認められたことがきっかけで研究が進み、現在でもよく使われているメトトレキサートが誕生しました。その後、さらに研究が進み、従来の抗がん剤では治療が難しかったがんにも効果が得られる薬剤が生まれています。

代謝拮抗剤の種類とそれぞれの効果

代謝拮抗剤は急性白血病、乳がん、胃がん、大腸がん、膵臓がんなど幅広いがん治療に導入されています。おもな薬の名前と効果を見ていきましょう。

代謝拮抗剤の種類 効果
ゼローダ 手術不能・再発した乳がんなどに使用。日本で開発された抗がん剤。
テガフール・ウラシル

胃がん、大腸がん、膵臓がん、肝臓がんなどに使用される、プロドラッグと呼ばれる長期間効果が持続する抗がん剤。

メトトレキサート 白血病、乳がんなど。米国では最も使われる抗がん剤の1つ。
フルオロウラシル 胃がん、大腸がんなどの消化器がんに広く用いられる薬剤。
ジェムザール 非小細胞肺がん、膵臓がん、胆道がんなど。高い効果が期待でき、なおかつ副作用が軽いことから注目されている抗がん剤の1つ。
キロサイド 白血病治療で欠かせない薬剤。効果が高い反面、重度の副作用がある。

代謝拮抗剤の副作用

代謝拮抗剤が作用するのは細胞分裂時のみと限定されているため、他の抗がん剤よりも副作用は軽度です。ただし、口腔内や胃、腸の粘膜に炎症が起こることがあり、口内炎や下痢等、重い副作用が現れることもあります。

長期的な投薬が必要

代謝拮抗薬はアルキル化剤などと比べると副作用が少ないですが、効果を得るためには長期的な投与が必要だということを理解しておきましょう。

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