免疫調節剤

身体に備わる免疫力を高めるがん治療薬、免疫調節剤について解説。代表的な薬の種類や期待できる効果、副作用についてご紹介します。

免疫作用を向上させ、がん細胞を破壊する免疫調節剤

免疫調節剤は体内の免疫機能を高め、がん細胞を破壊することを目的とした薬剤で、生物学的応答調節剤とも呼ばれています。私たち人間は元々、外部の細菌やウイルス、異物と戦うための免疫機能が備わっている為、健康体であれば自然治癒します。

しかし、がん患者は免疫機能が低下しているため、手術や抗がん剤、放射線治療で治療をするしか方法がありませんでした。そして、薬物療法や放射線治療は健康な細胞も攻撃対象となるため、免疫力の低下を引き起こすという悪循環に陥っていました。

この悪循環の手助けとして活用されているのが免疫調節剤です。免疫調節剤はあくまでも他の抗がん剤との併用により延命効果や再発防止率を高めることが目標なので、特定のがん細胞に対する免疫が高まるわけではありませんが、従来の抗がん剤とは全く違うアプローチのため、がんの治癒や副作用軽減の期待が高まっています。

免疫調節剤の種類とそれぞれの効果

免疫調節剤は、免疫作用全般の働きを改善する「免疫賦活剤」と、ナチュラルキラー細胞の働きを活性化させ間接的に免疫反応を呼び起こす「インターフェロン系」に分かれています。

免疫賦活剤の種類 効果
ウベニメクス ほかの抗がん剤との併用で延命効果が期待できる。成人急性骨髄症、白血病の維持強化に使われる。ただし、併用が条件となる。
乾燥BCG 粘膜内にとどまっている表在性の膀胱がんに適応。再発リスクの高い患者に投与され、80~90%の高い確率でがん細胞が死滅する。
インターフェロン系の種類 効果
インターフェロン-α 慢性骨髄性白血病、腎臓がん、一部の悪性リンパ腫に適応。
インターフェロン-β メラノーマ、脳腫瘍などに適応。
インターフェロン-γ ガンマ型のインターフェロン。腎臓がん、成人T細胞白血病、菌状息肉症に適応。
インターロイキン 静脈投与の薬剤。腎臓がん、メラノーマ、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などに使われる。

免疫調節剤の副作用

免疫調節剤の副作用は使用する薬によって異なります。一般的に、インターフェロン系の薬は、発熱、悪寒、疲労感、頭痛などが起こりやすく、うつや記憶障害など精神状態に影響が出ることもあります。

また、BCGなどの免疫賦活剤は発熱、嘔吐、下痢、頭痛などの副作用が現れやすいと言われていますが、人によっては副作用が全く出ない場合もあります。

効果に個人差がある

免疫調節剤は、手術、抗がん剤、放射線に続く第4の治療法として注目を集めています。しかし、効果に個人差があるため、腫瘍が消えてしまったという患者もいれば、全く効かない場合もあります。既に手術ができない患者さんにとっては期待が持てる治療法ですが、「効かない可能性もある」ということを承知の上で治療に臨む必要があります。

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